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悪女転生~父親殺しの毒殺犯にはなりません~  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

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27:何かしでかしたかしら?

「大丈夫そうでしたか?」


 従者に尋ねられ「え、ええ、多分……」と答えることになる。


(まさかアマリアはトムを誘惑していないわよね……?)


 アマリアは私の父親を好きなはず。ただトムは恋多き色男。でもさすがに兄嫁に手なんて出さないはず……。


「着替えにはどうせ時間がかかるはずだ。隣にレストランがある。そこで待つといいのでは?」


 フロントにいたおじさんに言われ、私はそのレストランへ、従者はヴィオレットの様子を見に行ってくれることになった。


 ◇◇◇


 ボート遊びで起きた一件はその後、どうなったのか。


 私たちがボート遊びをしている間、シャロンなどの侍女は、飲み物を手配し、ランチのための席の確保のため、あちこちに散っていた。だがアマリアが池に落ちたと知ると、慌てて例のボート小屋へ向かった。


 その後、アマリアもトムも無事に着替えを終え、ヴィオレットも戻って来た。ハンスは別のボート小屋で着替え、最終的に私がいたレストランに全員が合流。そこで共に昼食をとることになった。


 驚きだったのは、アマリアは自身の侍女に命じ、化粧道具一式を持参させていたことだ。ボートに落ちることに備えたのか。はたまた出先でも、お化粧はバッチリにしたかったからか。もしくは強い陽射しに備えたのか……。


 ともかくレストランにやって来た時、着ているのは街の女が着るようなワンピースだったが、お化粧だけはバッチリだ。髪は濡れてソバージュが際立ち、それはそれで何だか色っぽい。トータルでみると……街で見かける娼婦みたいになっているが、それは絶対に本人には言えない。


「もう、大変だったんですよ!」


 着席したヴィオレットは母親の心配より、自身がボートに一人取り残され、非常に心細かったこと。何もできず、ボートで右往左往していたことが恥ずかしかったと涙ながら訴え、ハンスは謝罪を繰り返していた。


 一方のトムは、ハンスを称賛。なぜそんなに咄嗟に冷静に行動できたのか。それを尋ねると……。


「実は自分、海軍士官学校に九月から入学するんです。昔から泳ぎも練習していました」


 伯爵家の嫡男であり、海軍士官学校へ入学となると、超エリートである。アマリアの顔つきが変わり、しきりにハンスに御礼を伝え、伯爵邸に遊びに来るようにと繰り返した。


 それにしてもなぜアマリアは池へ落ちたのか?

 その理由はよく分からない。本人も「うっかりしていたわ」と言っているので、慣れないボートでバランスでも崩したのだろう。


 ちなみにレストランでのアマリアとトムの様子に変化はない。


(二人の間に何かは……なかったの?)


 貴族はよく際どい言葉遊びをする。既婚の男女は特にその傾向が強い。本当に一線は越えられないから、言葉の応酬でスリリングさを楽しむのだ。


(もしかするとそんな言葉遊びだったのかしら?)


 そんなことを思いながら、レストランでの昼食を終えると、そのまま帰ることになった。


 ◇◇◇


 帰宅し、夕食までの時間はそれぞれで過ごすことになる。アマリアは間違いなく、入浴。ヴィオレットも綺麗好きだ。汗をかいたとこちらも入浴しているはず。


 トムは何をしているのかと思ったら……乗馬をしている! 色白色男だが、やはりアウトドアタイプのようだ。


 一方の私は父親に手紙を書いていた。


 砂糖のニーズは高い。今、多くの船が砂糖の産地に乗り入れを行っている。定期的な郵便船もあるため、父親が向かった地まで手紙を届けることは可能だった。


 とはいえ、父親が私に返信しても、自分自身が先に帰国する可能性も無きにしも非ず──だったが。


 ということで手紙を書いていると、シャロンがいつもの無表情で部屋に来た。


「ティナお嬢様。奥様がお呼びです」

「? 何かしら?」


(私、何かしでかしたかしら?)


 異性との手紙の交換はもうしていない。


 街中にいた少年にお金を渡し、こっそり居酒屋に、ロバーツ宛の手紙を届けてもらっていた。その手紙の中で、私と連絡を取る時は女性名を使い、暗号文にしてもらうよう既にお願いしている。もしロバーツから手紙が来ても、それが男性からだと分からないはず。そして特にロバーツと連絡をとる必要性もなく、手紙のやりとりはない。


 少しドキドキしながらアマリアの部屋へ行くと……。それまでもドキドキしていたが、別の意味でドキッとすることになる。


 というのもアマリアは入浴を終え、透け感のある下着姿で私を迎えたのだ。本来そんな姿、家族でも晒さないと思うのだけど、入浴直後で暑かったからかもしれない。赤と黒のレースの下着から透けて見えてしまう大ぶりなバストやお腹を見ないよう、視線を彷徨わせながら、ソファに座ることになった。


「ティア。今日は本当に災難だったわ」


 アマリアは小型のグラスにワインを入れ、口に運びながら、私に話し掛ける。


「そ、そうですよね。お母様。お怪我がなく、よかったです」

「しかも着替えをティアが届けてくれて、助かったわ。気を遣い、部屋に入って来なかったようだけど。私たちは親子なのよ。気にせず入って来て良かったのに。あなたが着替えを置いていってくれた後、侍女やヴィオレットは部屋の中まで入って来たのよ」

「! そうだったのですね。それは……至らず、失礼しました」


 もしやトムと……なんて考えてしまったが。侍女やヴィオレットが踏み込んでいるなら、何もなかったということ。余計なことを考え、ちゃんと手渡ししなかったことを申し訳なく思うのと同時に。


「あ、お母様。着替えを手伝わず、申し訳ありませんでした」


 下着が自分では脱げないと言っていたのに、手伝うことを申し出ずに去っていたのだ。そこは一声が掛ければよかったと思い、添えた一言だったのだけど……。


 アマリアはカタンとグラスを置くと立ち上がり、私の方へと歩み寄った。

お読みいただき、ありがとうございます!

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お知らせ:バカンス編更新開始

【本編完結】『宿敵の純潔を奪いました 』

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