供養タイム 『 水の都の悪役令嬢——Fw:魔王が始める「前向きな検討」——』
『ep.6 エイプリルフール』で言ってた、他のサイトに投稿してたけど、消した話。というか、紹介文。
同タイムフィニッシュから、着順で最かわヒロインが決まる。そういう作品。
異世界で最かわなヒロインを決めるとかいう企画を意識したキャッチコピー。
この物語の中心にいるのは、人間とは異なる存在「イシュの民」である。
彼らは「願いの魔法」と呼ばれる力を持ち、その性質は社会のあらゆる構造に影響を与えている。
人間が「魔王」と呼ぶ存在もまた、この構造の中から現れたものである。
「願いの魔法」はイシュの民の怒りを抑制する。その結果イシュの民は、暴力や支配ではなく、共存と譲り合いを前提に社会を形成する。
イシュの民は意見の対立を「喧嘩」と呼ぶ。
しかしそれは怒りによる争いではなく、互いの選んだ立場をぶつけ合いながら譲り合う議論である。
暴力ではなく対話によって成立する、極めて洗練された民主主義の形でもあった。
イシュの民の文明は、二つの水の都によって支えられている。
一つは、人間社会と接触する「外壁の街」。楽園を創ろうとした者たちの結晶。
もう一つは、天空の台地に存在する「ガン・イシュ」。楽園を目指そうとした者たちの秘境。
この二つが存在することで、外交、宗教対立、国家問題が生まれていく。
そして、世界にはもう一つの水の都がある。
フランチェスカ・ウァレリア・フォン・ミッチェルは、その都を治める貴族の娘である。
彼女の故郷は、海より低い土地に築かれた都市だ。
水を排出し、川底をさらい、堤防を補修し続けなければ維持できない土地。
その維持を担っていたのが、イシュの民だった。
しかし彼らが去ったことで、都はゆっくりと水へと帰ろうとしている。
ミッチェル家はその事実を民に悟らせぬまま、娘を修道院へ送り出した。
誇りある没落への抵抗が、静かに始まっている。
人間は、イシュの民との対話を忘れ、帝国は魔王というレッテルを貼り、宗教は聖地を巡って争う。
その根には、願いの魔法により怒りを抑制された種族という、まったく異なる価値観が存在している。
世界は、誤解の上で動く。
価値観の違いは、それを加速させる。
国家樹立宣言をした悪役令嬢。
魔王リルを、自ら名乗っていくことにしたのだ。
舞台は王国の枠を超え、やがて世界へと拡がっていく。
先に置かれた第二次異種の民殲滅戦は、果たして規定路線なのか。それとも――
運命とは、自分の手で切り拓くもの。
ただし、周りを巻き込みながら。
小説家になろうにもキーワード「ファンタジー女主人公」って企画があるから、多視点女主人公縛りを課していたからね。
ランチェスター第2法則的に戦って勝ち抜いてやろうという、意欲作。
意気込みだけの没作品。とも言う。ガクブルして不戦敗の巻。
「イシュの民は敵対なんてしないにゃ。」




