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四体の悪魔
聖女譚第六章一節から十節。
審判の黙示録。
傲慢を振りまく第一の赤い悪魔は、争いを引き起こしていた。
神より使命を与えられし聖女は、その悪魔を槍で貫き封じた。
嫉妬を振りまく第二の青い悪魔は、死を操っていた。
神より使命を与えられし聖女は、その悪魔を水に沈め封じた。
怠惰を振りまく第三の黒い悪魔は、飢饉を起こしていた。
神より使命を与えられし聖女は、その悪魔を剣で刺し封じた。
強欲を振りまく第四の白い悪魔は、支配を与えていた。
神より使命を与えられし聖女は、その悪魔を縄で縛り封じた。
(中略)
こうして全ての悪しき悪魔に審判を下した聖女は、最後に人々へと神の言葉を伝えた。
この封印が解かれ汝ら神の子が悪しき者達の手に染まるとき、私は再びこの地に降臨するであろう。
神はそなたらをいつまででも見守っていると。