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よくある毒殺

「きゃぁぁぁぁぁぁ!」


 グラスの割れる音と共に、けたたましい悲鳴が室内へと響き渡る。


 椅子が倒れ、床に転がる老齢の男性。

 胸を掻きむしり、口から泡を吐き、瞼を見開いた姿で倒れ、もがき、苦しみ、そして……動きを止める。


「医者を早く!」


 誰が見てもその男性に通常では考えられないほどの悪い事態が訪れたことが見て取れる。


「警察も……!」


 一縷の望みを抱くように、倒れた男性を救おうと近寄る慌ただしい足音達。

 叫ぶ指示に急ぎ部屋を出る扉の音。

 混乱の広がる室内で唐突に、誰かが金切り声を上げて叫ぶ!


「お前が殺したんだ!」


 鋭い声が響くと同時に一斉に、声のした方向へと皆の視線が集まる。

 その視線達はまるで示し合わせたかのように迷うことなく、一人の女性へと疑いの眼差しを向ける。


 集まる視線の先ではまるで、スポットライトを浴びる女優であるかのように、美しい女性が一人、場の混乱が見えていないかのように落ち着いた様子で椅子に座している。

 まるでこの悲劇を理解していないかのように口角を上げた女性はゆっくりと立ち上がると、柔らかく美しい微笑みをただ、浮かべるのだった。

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