露わになった顔面
「っちょ、待てって!!ん?」
慌てて教室に入ったらいつもはざわめいているのにシーンとなっていた。
…なんでだろ。
「えーっと、どーゆーことかな、これ」
「あ、やっと来た陽介」
「高橋優香さんが分からなくて…教えてくれる?」
問いかけに答えたのはさっきのただならぬ雰囲気が完全になくなった二人で…
ぶっちゃけ、拍子抜けした。
やっぱりそんなわけないよな、
二人が俺のために何かしてくれるだなんて…
とりあえずお目当ての高橋さんの姿を探す
あ、いた。
今日も教室の隅で静かに本を読んでいる。
なにを読んでるかはわからないけど、きっと難しそうな本を読んでるんだろうなぁ
「えーっと、高橋…さん、ちょっといかな」
「…」
ですよね。
高橋さんは自分の世界…本を読み始めると周りが見えなくなってしまうようで話しかけても反応してくれない…
…授業開始のチャイムには反応してるからただ無視されてるだけ…かもしれないけど。
「あ、君が高橋さんね、私は佐々木佳苗、よろしくね」
「あ、よろしくお願いします」
…やっぱり無視されてるだけなんじゃね、これ
「ねーねーゆーかちゃん、だっけ?」
「あ、はい、優香です」
可愛い
「ちょっと失礼」
「ひゃっ…なにするんですか」
悲鳴も可愛い…
じゃなくて、
「桜!!なにしてん…だよ…」
桜の手によって露わになった高橋さんの顔面は…
桜でも到底叶わないほどの、
超絶美人で可愛い顔でした。