波乱の予感
…反応、なしか…?
「「誰…?」」
「お前ら全員把握してねえのかよ、クラスメイトだぞクラスメイト」
「いやだって40人近くいるしまだ入学して3ヶ月だよ?仲良い友達とか席近い子はさすがに覚えるけどさぁ…」
「そんぐらいの存在感のやつってことだろ?」
「ねーねー陽介、その…高橋さん?のどこが好きなの?」
「だから好きじゃねぇって…なんていうか…その…本を読んでる時の姿勢とか、意外とドジなところとか…」
「ベタ惚れじゃねぇか」
「違うからね!?」
「えーそうかなぁ。完全に恋するおとめって感じの表情だったよ?」
「誰が乙女や」
「私、認めらんない」
「佳苗急にどうした」
「うちも」
「桜も…」
「やっぱお前モテモテじゃねーか」
「は?なにいってんの隼人。ついにあたまおかしくなった?」
「はぁ?なぐんぞボケ」
「やれるもんならやってみろよ」
口では物騒なことを言い合ってるけど所詮はフリ
今だって誰も立ち上がらずに弁当を突いてる。
穏やかなやんわりした雰囲気がここには流れている…
はずだった。
「うち、やっぱ高橋さん?に見てくる」
急に桜が立ち上がって、ドスドスと出口に向かっていく。
確かに桜は早食いだから食べ終わってたけど…
「ご馳走様ぐらい言えよ」
「「いや、そこ!?」」
「え、他にあるっけ」
「…そ、ソウダネ…」
「陽介、桜は高橋さんをいに行ったんだと思うよ?」
「そっかー…ん?なんで?」
「幼馴染みとして陽介とつるむ人間はうちらで精査しないとね♪」
「てことは…」
「ご馳走様でした、私もいてくるからお弁当箱よろしくー」
「え、ちょ、待てよ!!」
そんなことをする二人じゃないってわかってるけど今日の二人は今まで感じたことのない雰囲気をまとてるからなんとなく怖い…
「陽介、俺が持ってくから行ってこい」
「隼人…ありがと!!」
「ただし、後で肉まん奢りな」
「…はい」




