突然の恋話
俺らは一応全員同じクラスだけど購買だったりお弁当だったりするからバラバラに溜まり場に向かうのが常。
今日は晴れてるから中庭だな。
結構一年の校舎から離れてっからめんどくさいんだよな…
なんて思いながら中庭に続くドアを開けると全員揃ってる様子。
桜とか購買なのにやけに早くねぇか?
首を捻りながら定位置につき、
朝約束したジュースをみんなに配る。
「おっさすが幼なじみ、俺の好みよく分かってるー」
「てかよくうちの好きなジュースわかったね、これ結構マイナーなのに」
「さすがに10年以上一緒にいるからわかるわ」
「はいはいそうでした、陽介くんには隠し事なんてできないんでしたね」
「なんだよ急に君付けして、気持ちわりぃ」
「はぁ!?気持ち悪い言うなし」
「はいはいすみませんでしたー」
「お前微塵も感情こもってねぇんだよ!!」
桜は熱しやすくて冷めやすい。
だからそろそろ佳苗が仲裁に入る…
「桜、ご飯食べよ?せっかく揚げたてのカツサンドゲットしたんでしょ?冷めるよ?」
「あっ、いっただっきまーす」
ガツガツとカツサンドを食べ始めた桜。
もうちょっとおしとやかだったら安心して外に出せるんだけどな…
「ほういえばさ、」
「ちゃんと飲み込んでから言え、全く理解できない」
「できるだろさすがに、そういえばさ陽介、今日の本題忘れてないだろな?」
「は?なんだったかな」
「とぼけんなよ、お前の好きな人だよ好きな人」
「んなのいねーよ」
「俺様を騙せると思ったか?勇者奏多」
「奏多って誰だよww」
「確かにww」
「茶化してないで陽介の好きな人でしょ?」
「そうそう桜、早く教えてよ陽介」
「だからいねえって」
「「幼なじみなめんな?」」
「陽介が入学初日から誰かを気にしてるのはわかってる、さっさと吐いたら?」
佳苗ってこんな冷酷なキャラだったか…?
「中途半端な人だったら認めないんだからね!!」
「なんの権限を持ってそれをいったるんや桜さんや」
「幼なじみ!!」
幼なじみってそんな権限あったのか…?
「えーっとだな、好き…ではないんだけど…気になってる人、ならいるかな?」
「陽介にもついに春がきたか〜」
「だ、か、ら!!好きじゃねぇって!!」
「「ふーん」」
「そんな白々しい目で俺をみるなって」
「んで、誰なの?」
「…そんな詰めよりますか3人さん」
「だって人に興味のない陽介の初恋だしねぇ」
「だ、か、ら、!」
「好きじゃないって?」
「そ!!」
「ふーん、んじゃそういうことにしとくから誰なの?その…気になる子っていうのは」
「え…言わなきゃだめ…?」
「「だめ!!」」
「えーそんなはっきりいう…?はぁ…高橋優香さんだよ」