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魔王とカリラ

作者:nyone
これは本当は秘密なのだが、俺はこの世で一番美味い酒を飲んだことがある。
この異世界に転生してしまう六年前の事だった。

王都の最高学府、エレヴェンス・ギルト王立上級学校には魔王が住んでいる。
魔術教員棟の二号室に引きこもり、謎の研究を繰り返し、講義のオファーもなんのその。
週に一度の家庭教師で糊口を凌ぐアラサー手前の客員教授。
謎多き天才学者にして当代最強の魔術師と言われた『異界の魔王』カラン・マルク。

そいつが、この俺を巻き添えに、異世界転生を引き起こした張本人。
今俺の魂が入っている、この身体の事さ。

その、近年稀にも見ぬ大馬鹿者の仕業によって、そいつと中身が入れ替わってしまった俺は、ろくな酒がない転生先の異世界で途方に暮れた。

魔王となった俺に残されていたのは、彼があらゆる視点からこの異世界を記述しようと試みた末の膨大な数の論文と、彼の唯一の教え子であった財閥のお嬢様レゼル、そして魔王の助手を名乗ってはいるが実態はただのお母さんである少女カリラ。そんだけ。

ところで、こっちに来るまで俺は魔術というものにあまり詳しくなかったんだが、回復魔術というのは時間経過を促進させる事で患部の治癒を行うんだな。魔王の残した論文で、その仮説を知った俺は、さっそく回復魔術を用いた酒造りを開始した。……そういえばギルドに酒造の届け出を出してなかった。レゼルに怒られるな、明日出す。今のは聞かなかった事にしてくれ。

最近は剣と魔法の異世界に転生する若者やおじさんが増えていると、前世で大学の後輩が言っていた。

そんな流行りに乗せられておきながら、大変申し訳ないのだが、俺は剣にも魔法にも冒険にもバトルにも一切の興味がない。マジで、ただ美味い酒が飲みたいだけなんだ。本当にすまない。

おっ、カリラが戻ってきたみたいだ。一緒に市場に夕飯の買い出しに行く約束をしてたので、あらすじはこれで終わりとさせて貰う。色々すまない。
そろそろあの子に、酵母が精霊じゃないという事をきちんと説明しなきゃならない。

……ああ、もしよかったら途中まで俺達と一緒に来るかい?
こっからは、いわゆる本編になるわけだけど。
第一章 魔王とこの世で一番美味い酒
第二幕 夜の森
2018/02/27 20:12
第五幕 異世界からの手紙
2018/03/03 18:24
第二章 魔王と氷の姫
第八幕 正午前の氷魔術
2018/03/06 18:41
第三章 魔王と王都の年末
第十五幕 冬の駒鳥
2018/03/17 15:04
第二十一幕 年末祭
2018/04/13 20:20
第四章 魔王と琥珀の夢
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