3話 殺人鬼とお食事
今は春とはいえ数日もすれば死体が腐り臭いが出る。
肉の腐敗臭というものは思ってるより凄まじいものだ、そうすれば近所の住人が通報し警察が来るだろう。
現場に長居するつもりは勿論無いが少しでも発見されるのは遅らせた方が良い。
冷蔵庫にでも入れておけば良いのだが流石に3人も冷蔵庫に収まらない、そこで用意しておいた釣り用のかなり大きなクーラーボックスを使う。
コレなら手足を切って押し込めば3人ぐらい入るだろう、ここに氷と共に入れて密閉しておく。
ぶっちゃけ気休め程度だが1週間程度は持つはずだ、それだけあれば十分事足りる。
だが両親をクーラーボックスに入れ、妹を運んでいた時に問題が発生した。
そう、何故か私にはそれがとても...「美味しそう」
そう見えたんだ。
何故だ、耐え難い程の食欲が私を襲う。
私は昔から強い好奇心を持っていた、見た事の無い本があれば読んでみるし、した事のない事があればとりあえず挑戦してみる。
それが関係しているのか?
そんな訳ない、コレまでの事とはヤル事の次元が違う。
だがそんな事はどうでも良い。
今はただ「食べたい」。
己の欲望を満たす為にコイツらを殺したんだ、死体をどうしようが、食べようが、最早関係無いだろう。
そう強引に結論づけた私は考える。何処を食べようか?
内臓は処理が面倒だ、いちいち洗ったりなどしてる暇はない。
それでは肉は?
ダメだ、熟成も何もされていなければ硬くて食べられたものでは無いだろう。
こんな事を考えてはいたが実は結論は最初から出ている、それは私の食欲が最も゛喰らえ゛と訴えかける部位...脳だ。
とりあえず私は包丁を使い頭を身体から切り離した。
軽く血抜きし、髪は燃えると悪臭が出るので頭皮ごと剃り落としておく。
そしてコンロの上に網を置き、その上に頭をのせ弱火で焼いていく。
そう蒸し焼きだ、これならシンプルで手間もかからない。
そろそろ、十分火も通り焼けた頃だろう。
表面が炭化した頭を箸を器用に使い、網から下ろし皿にのせる。
食卓に着いたのだが調味料はどうしよう?
素で食べるのは却下だ。わざわざ焼いたんだし味付けぐらいしよう、どうせなら美味しく食べたいからね。
そうだな。
溶けやすい顆粒の鶏ガラスープの素と生姜、醤油を合わせて簡単なタレを作る。
生姜で臭みを消し鶏ガラスープの素で旨味を加え醤油で味付けするのだ、鶏ガラスープの素マジで万能じゃない?
何に加えても美味しくなる気がする。
頭蓋骨に包丁を当て、背の部分を叩く。
すると熱が加えられ脆くなっていた頭蓋骨は簡単に割れた、その割れ目を広げていく。
すると程よく蒸されたホカホカぷるぷるの脳が出てくる、そこにさっき造ったタレをかけて軽くコショウをふる。
さて、完成だ「いただきます」
スプーンでそっとすくい口に運ぶ、「はむっ」
その瞬間電撃が走る「美味い!」
口の中で口の中でトロトロにとろけていくこの感じ、最高!
あっという間に全て食べてしまった、予想外に美味しかったな。
何だか身体が軽い気さえする。
さて、食事もしたし...行くか!
被害者数23人
ちょっと、過激だけどこれくらい大丈夫だよね?