第8話 騎士団の日常(自由奔放な天才魔法使いアメラン)
「全く、ちゃんと研究なり練習なりしてよ、本当に!」
もはや自分で立ち上がる気力もないアメランの尻を、最後にまた軽く叩き、今度は撫でてやった。
さすがに感情に任せて引っ叩いたのはまずかっただろうか。
アメランの尻が真っ赤に腫れ上がっている。
「……反省しましたぁ」
力なく、元から小さな声を更に小さくして漏らすアメラン。
だが、その様子は反省した、というよりも満足して力が抜けたようにも見えてしまう。
筋肉のない、柔らかですべすべのその尻の触り心地が良かったので、しばらく撫で続けてしまった。
「反省しましたからぁ」
これ、うっかりひょい、とお尻の谷を持ち上げて拡げてしまって中を覗いたら、さすがに駄目だろうか?
「エメさま、反省しましたよ?」
アメランは怒らないだろうが、マエラに告げ口されても困る。
今度はこっちが反省を促される羽目になる。
サイはマエラと仲が悪いが、アメランはそうでもない。
だから、残念だけどやめた方がいいかな、いやいや女の子同士で何でこんなことを考えて──。
「エメさまってばあ~!」
「えっ!? な、なに?」
「もう許してくれませんか?」
「あ、ああ、うん。もういいかな」
エメフィーはアメランのパンツを穿かせて椅子に横たえさせる。
少し雑になったのは仕方がない。
「あと、例の集団魔法の研究材料だけど」
「は、はい……」
「マエラもいいって言ってたし、ちゃんと頑張るなら出しても──」
「頑張りますっ!」
こんな時だけ返事の早いアメランに、多少呆れるエメフィー。
「……うん、じゃあ出してあげるよ。本当に、頑張ってよね?」
「頑張ります」
「お母さんにもよろしくね?」
「はい~」
穏やかに返したつもりではあったが、まだ心の動揺を隠せないエメフィー。
そう言えばどうして、アメランの尻をひっ叩いたんだったか?
ああそうだ、男性の裸を見せられたからだ。
さすがにあれは、お仕置きしてもいい。
絵とはいえ、エメフィーは殿方の裸を見たのはこれが初めてと言ってもいい。
何しろ正真正銘の王女様であり、箱入りなのだ。
殿方は女性とは身体が違うと教えられてきたが、自分と大して変わらなかったので少しほっとしていた。
「じゃ、今日はもう上がろうかな」
そう言って、エメフィーは庭園の中央に戻る。
「本日の訓練、終了!」
庭園内に響き渡ったその号令により、あたりに漂っていた雄々しい気合の声は、一転、黄色い声に変わった。




