第5話 騎士団の日常(弓隊長のパンツ)
「サイ、調子はどう?」
「きゃぁっ! で、殿下!?」
ベレー帽に胸当て、そして、ミニスカートに弓を持った集団の中の一人の少女。
遠くにある的に向けて弓を構えていた小柄な少女のスカートを挨拶代わりにめくりながらエメフィーは声をかけた。
「あ、僕の贈った縞パン穿いてくれてるね? よかった、サイは可愛いのにパンツはいつも白だったから」
「……特に私の趣味ではなく、支給品をありがたく使わせていただいておりました。殿下に下着の心配までしていただき、恐縮しております」
白い肌を真っ赤にさせた少女は弓を置き、膝をついた。
「エメフィー殿下。ようこそ弓隊にお越しくださいました」
エメフィーを片膝で出迎えるのは、純白の髪の少女。
まるで騎士みたいだな、などと、エメフィーは自分たちの立場を忘れ、苦笑した。
もともと小柄な少女が頭を下げていると、本当に小さく見えてしまう。
そして、その純白のショートカットから覗く、尖った耳。
それは彼女が人に似た人でない種族であることを表していた。
「いや、だからさ、そこまでかしこまらなくってもいいんだよって。僕とサイの仲じゃない?」
「ですが、私のような下々の者がこうして殿下とお話をさせていただくというだけで、本来なら無礼なこと。それを許していただけるだけで、幸いと思っております」
膝をつき、頭を下げたまま、サイと呼ばれた少女は頑として頭を上げる気配はない。
「だからぁ!」
「っ! 殿下!?」
エメフィーは膝をついた彼女の脇に両手を入れ、無理やり立たせた。
長身のエメフィーに持ち上げられた小柄なサイは、足もつかない高さに持ち上げられ、足をぶらぶらさせていた。
「前から言ってるだろ? 僕たち騎士団の仲間は、共に戦い生死を共にする仲間なんだ。僕だって王女の自覚くらいあるから、別に僕に敬語を使うのは、まあいいよ。でも君はちょっとやり過ぎなんだよ、それは逆に一線を引いてるとしか思えないんだよ」
「……王族の方と臣下、それも下賤の者との間に線があるのは当然です」
徹底して頑固なサイ。
「君は誇り高きエルフ族の族長の娘だろ? だったら自分を下賤なんて言うんじゃないよ。それはエルフ族全体を卑下することになるから」
「……エルフ族は先の大戦以降、ジュエール王国に忠誠を誓った一族。ただの一配下です」
エルフの少女は、少し目をそらす。
その瞳がこの少女の真実の感情だ、とエメフィーは察した。
「だからぁ!」
「きゃぁぁっ!? 殿下?」
「そんなの関係ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
「きゃぁぁぁぁぁぁっ! で、殿下っ!?」
エメフィーはサイの両脇の下にある手を思いっきり揉むように動かす。
「僕はサイともっと親しくなりたいんだよ! それが分からないサイなんて、痛い目、いや、気持ちいい目に遭ってしまえぇぇぇぇぇぇぇっ!」
「やぁぁぁっ!? お、おやめください殿下っ!」
サイは身をよじるが、足も着かず、騎士団最強かつ最高位の戦士相手に抵抗も出来ず、されるがままくすぐられ、揉まれるだけだった。
エメフィーはちょっとからかうだけだったが、サイの脇の下が思った以上に温かく、そして柔らかかったので、思った以上に長く揉んでしまった。
「おやめくだ……あっ、ああああんっ!」
その間、サイはずっと悶え、喘ぎ続けるしかなかった。
弓隊長サイラーネ・カッシーダ。
その正確無比な射的能力と、無口無表情で、隊員からも騎士団一のスナイパーとして畏れられている少女。
彼女は、彼女を尊敬する弓隊の部下達の前で、エメフィーが満足するまでの間、艶っぽい嬌声を出し続けることになってしまった。
「サイって、胸ないと思ってたけど、結構柔らかいね?」
「お……それ……いりま……」
下ろしても最早自分で立てないサイを抱えながら、その胸に手を当ててみる。
「あ……っ!」
もはや抵抗する気力も体力もなく、ぐったりとしていたサイが、その手にびくん、と身体を震わせる。
「うーん、確かに少しあるね、柔らかいし」
「あ……でんか……おや……め……」
抵抗すら出来ず、ただ揉まれるだけのサイ。
気力もなく、ただ、時折、びくん、と身体が動く程度の反応しかない。
目は既に潤んでいて、これ以上は色々と危険だ。




