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少女騎士団は今日から僕のハーレムになりました  作者: 真木あーと
第三章 騎士団の結束は魔の眼でも覗けない
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第40話 キナレル家の血脈

 今は遥か遠き戦乱の時代、多くの戦士たちが戦場でその名を上げていた。

 その中でもランドラ・キナレルの活躍はとても目覚ましいものがあった。


 彼は志願兵として、槍一本でジュエール王国の兵となり、その強さのおかげですぐに騎士団に組み込まれ、騎士団の戦法長(シヴァリーダー)、つまり実質団長になるにも、時間はかからなかった。


 そして、その後も多くの戦場でその名を上げ、遂には王より男爵の位を受け取ることになる。


 その頃、彼に一人の男が近づいてくる。

 それは、モルディーン伯爵だ。


 彼は軍師として天才的な采配で名を上げ、この戦時下で戦場に出ることなく生まれながらの子爵という爵位を昇格させたのだ。


 彼はランドラに「自分の配下になって動け。そうすれば悪いようにはしない」と言われた。

 自分の強さに誇りがあり、その名乗りを今後も上げていくつもりのランドラは最初それを断った。


 だが、モルディーン伯は、「戦争はもうすぐ終わる。今後は治世の出来る者がのし上がる。戦場で名を挙げた多くの者たちが消えていくだろう。だが、お前には私の下で治世を手伝わせてやる」と言われ、悩んだ末、配下になることにした。



 その後モルディーン伯の言った通り、大戦が終わった。


 ランドラは、他の武で名乗りを上げた者たちが何をしていいのか分からず戸惑っている中、モルディーン伯の指示で征服した国で発生した反乱分子や残党の制圧、治安の維持など地味だが仕事をこなしていた。

 槍一本で貴族に上り詰めたランドラは、子に地位を譲り渡すときには子爵になり、その子供は公爵になったモルディーン公の配下で伯爵になった。


 ランドラの子孫たちは武のキナレル伯爵一族として、各騎士団に入り、戦法長(シヴァリーダー)に名を連ねた。


 大戦時に名を上げた者たちで、平和な世になり、ここまで栄えている者は他にいない。

 あの時、モルディーン氏の誘いに乗らなければ、おそらく他の武の者と同じ道を辿っただろう。


 今でもモルディーン公への感謝を忘れることはなく、公の指示には何も考えず従えば悪いようにはならないから黙って従え、と子供たちへその思いを受け継いでいるのだ。

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