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少女騎士団は今日から僕のハーレムになりました  作者: 真木あーと
第一章 気さくな王女は男の子
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第3話 騎士団の日常(槍剣隊長のおっぱい)

「うーん、やっぱり長剣だと扱いが慣れないなあ。最初、シェラに遅れを取っちゃったな」


 長身の少女が手に持つ長剣を眺めながらつぶやくと、シェラと呼ばれた小柄な少女が頬をぷっくり膨らませる。


「エメさまが強すぎるだけですっ! あたしだってこの騎士団の槍剣隊長として、最強の戦士なんですぅ!」


 この、負けて涙目になっている少女こそ、この庭園で訓練に励んでいる、エメフィー女騎士団の中で最強の戦士であり、十五歳にして主力である槍剣隊を任されているシェラーマナ・キナレルその人だった。


「ははっ、シェラ、それはちょっと違うかな?」


 長剣をお付きに託したエメさま、と呼ばれた少女は、両手を腰に当てて、シェラを見下ろす。


「……何ですか?」


「シェラは強いよ。本当、こんなに強くなってくれるなんて思ってなかったし、もうぎゅっと抱きしめてすりすりしちゃいたいくらい、僕のお気に入りの団員だよ」

「それは、いつもやってくれてますぅ」



 シェラがむすっとした表情のまま、少し頬を染める。


「だけどね、君は一番じゃないんだ、残念だけどね。可哀そうに慰めてあげる」


 そう言って、長身の少女は、シェラの手を引いて立たせつつ、ぎゅっと抱きしめた。


「ふにゅ~♪」


 一瞬にして、シェラの機嫌が直る。

 先ほどまでむっつりしていたのは何だったのだろう、と思えるほど、貪欲な甘え体勢に入る。


「それで、あたしより強いのは誰なんですか? 自慢じゃないですが、そんな人いないですぅ?」


 長身の少女は、シェラを下ろして右手を掲げ、そして微笑む。


「エメフィー女騎士団で最強なのは、この僕、ジュエール王国第一王女、エメフィー・ラルナ・シャルティクさ」


 このエメフィー、と名乗る少女こそが、エメフィー女騎士団を創設した、ジュエール王国第一王女、エメフィー・ラルナ・シャクティクその人だった。


「エメさまは別ですぅ。あたしたちはエメさまを守るための騎士団ですから、エメさまは除外でふにゅる」


 負けたのがよほど悔しいのか、仕える主人のはずのエメフィーに向かって、嫌み口調で反論する。

 その様子があまりに可愛かったのか、言い終わる前にエメフィーが抱きしめる。


「シェラァァァァァァァッ! 好きだぁぁぁぁぁっ!」


 そして、可愛さのあまり絶叫する。

 周囲はよくある王女様のご乱心なのでもう見て見ぬふりで訓練を続けている。


「シェラのそういう負けず嫌いなところ、大好きだよ、本当、結婚しない? 悪いようにはしないからさ」

「……はいですぅ」

「なんでやねん!」



 二人のやり取りを無視していた周囲の誰かが思わず突っ込んだ。


「本当、女の子同士で結婚出来たら、絶対シェラと結婚するのになあ!」

「あたしもですぅ」


「でもね、そんな可愛いシェラでも、間違いは正さなきゃならないんだ。この騎士団は僕のための近衛騎士団じゃないんだよ。我が国の戦力としての騎士団。だから、その中には僕もいる。除外して貰っちゃ困るよ」

「でも、でもぉ……」



 拗ねるような態度のシェラを、エメフィーはぎゅっと抱きしめる。

 エメフィーとシェラは、こうして臣下であるはずのシェラが拗ねることが出来るくらいに親しい間柄だ。


 シェラは、エメフィー王女の話し相手として、子供の頃から仕え、ずっと一緒に成長して来た。

 エメフィーとしても、一つ歳下のシェラが可愛くて仕方がない。


 こうして拗ねられると、抱きしめたくなる。


「シェラ……」

「はいですぅ」

「キスしていい?」


「はいですぅ!」

「なんでやねん!」



 また誰かが突っ込んだ、今度はその正体を見た。

 槍剣副隊長の女の子だ。


「だってシェラが可愛いからしょうがないんだよ! もう辛抱たまらないんだよぅ!」

「ふみゃー!」



 エメフィーが言いながらぎゅっと抱きしめ、シェラがよく分からない声で鳴いて喜ぶ。


「む、シェラ!」

「みゃ?」


 いきなりそう言ってシェラを離し、今度は後ろから抱き着く。


「またおっぱい大きくなったね! こんなに可愛いのに揉めるくらい大きくなって!」


 そして、背中から手を回し、シェラの成長過程の胸に手を押し付ける。


「あ……んっ! そうですぅ、あたしはどんどん女の子っぽくなっていくですぅ!」

「ね、ねえ、おっぱいに顔を埋めてもいい?」

「はいですぅ!」

「なんでやねん!」



 また副隊長の突っ込み。

 この子は別に昔からの知り合いでもなく、騎士団の団員募集に応募してきた子に過ぎない。


 だが、ツッコミ体質なのかこうして突っ込んでくれるため、エメフィーもぎりぎり理性を失わずに済んでいた。


「まあ、さ。一緒に強くなろうよ。僕は負けるつもりはないけど、もしシェラに追いつかれたら、騎士団最強は喜んで譲るよ」

「はいですぅ!」



 抱きしめると、自分にその小さな身体を委ねてくるところも可愛い。

 こう見えてシェラは、キナレル伯爵の三女という貴族の娘だ。


 王女であるエメフィーと同様、高貴な存在であり、またそれに反して身体を動かすことが大好き、というお転婆なところもよく似ている。

 自分がどこに行っても後ろからついて来てくれる。


 エメフィーが自分たちで騎士団を創ろうと言ったときも真っ先に賛成してくれた。

 何をやるにしても一緒に楽しんでくれる、大切な仲間。


「……エメさま?」


 シェラの不思議そうな声。

 気づくと、エメフィーはシェラを抱きしめたまま、その身体中をまさぐっていた。

 しかも、若干い気が荒くなっていた。


「エメさまぁ、くすぐったいですぅ……」

「うん……うん……いい子だね? とってもいい匂いだし……はあはあ……」



 若干の拒否を示すシェラだが、エメフィーはやめる気配がない。


「エメさま、パパみたいですぅ」

「うんうん……、今なら父君の気持ちも分かるよ? よく育ったねえ」

「ふにゅぅぅぅぅっ!」



 尋常ならざる様子を察したシェラが逃げようとしたが、しっかり掴まれて逃げられなかった。

 じたばたもがけばもがくほど、抜け出せなくなった。


 武器を使えばほぼ互角。

 だが、武器を使わなければ、エメフィーとシェラには歴然とした体格差があり、シェラが敵うわけがない。


「ふにゅーん、ふにゅーん!」

「ハァハァッ……! いいよ、シェラ、いい身体になったねえ」



 シェラは抵抗するも、全身をエメフィーに隈なくまさぐられ放題になった。

 周囲はもう誰も構わない。

 こんな事はいつもの事だからだ。


今日はここまでです。

明日からも一週間くらいは頑張ってみます。

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