ずれずれへびの冒険
むかしむかし、あるところに一匹のへびさんがいました。
ある天気のいい日、へびさんはあんまり気持ちがいいので、のんびりお散歩に出掛けました。
ずれ~~ずれ~~
ずれ~~ずれ~~
へびさんは太陽の光を浴びながらゆっくり、ゆっくりと進んでいきます。
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どれくらい進んだでしょうか、へびさんは大きな木の下にたどり着きました。
涼しい木かげで休んでいたら、上から小鳥のなき声が聞こえます。ぴーちく、ぱーちく、ととっても忙しそうです。
よく見てみると、小鳥の近くには卵が入った巣が見えています。
へびさんは、ああ、おいしそうだなぁと思いました。のどが渇いたし、お腹も空いています。
よし、この木に登って卵を食べよう、と決心したへびさんは、大きな木に登りはじめました。
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なかなか辿りつきません。
だって、とっても大きな木だったのです。
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へびさんは、一生けんめい登っています。
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あっ!残念…落ちてしまいました。それでもへびさんは諦めません。せっかく見つけたごちそうだから、へびさんはもう一回がんばろうと思いました。
でも、今日はもう辺りが暗くなってきています。へびさんは、明日またがんばることにして、おうちへ帰っていきました。
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次の日、へびさんはまたお散歩に出かけました。お日さまが登って暖かくなってきたら、やっぱりお散歩に行きたくなるのです。
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しばらく行くと、昨日の木のところまで来ました。今日こそやるぞ!とへびさんはさっそく登りはじめます。
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ずれ~~ずれ~~
ずれ~~ずれ~~
なかなか辿りつきません。
へびさんは、お腹がすいてきました。今日は卵をたっぷり食べようと、朝ごはんを少ししか食べなかったので、お腹もペコペコで力が出ません。
ずれ~~ずれ~~
ずれ~~ずれ~~
あっ!
へびさんはがんばりましたが、力が出なくてとうとう落ちてしまいました。なかなか卵に辿りつけません。へびさんはとってもがっかりしましたが、お腹がペコペコなので、今日はおうちに帰ることにしました。
次の日、へびさんは燃えています。
朝ごはんもしっかり食べたし、お弁当も持ちました。
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かなりいい感じで登っています。
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これまでよりもたくさん上まで登ってきました。小鳥の声が近くなってきたのでへびさんはがんばろう!と思いました。
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でもさすがにお腹が空いてきました。そろそろお弁当を食べたいなあとへびさんは思いましたが、落ち着いてお弁当を食べられるような場所がありません。
大きな木は、ずーっと上の方にしか、木の枝がなかったのです。
一度食べたいと思うと、ガマンできません。
ずれ~~ずれ~~
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仕方なく、へびさんは木からおりてお弁当を食べることにしました。
次の日、へびさんは今日も諦めていません。木の下に降りなくても食べられるお弁当を用意しました。
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やっと大きな木に到着したへびさんは、あっと驚きました。なんと、小鳥の巣からは小さなピヨピヨという声が聞こえています。
卵がかえって、卵は小鳥のひなになってしまいました。
「ああ、卵が食べたかったのになあ」
へびさんはがっかりです。
仕方がないので、お弁当を食べて、ひながピヨピヨと騒ぐのをゆっくり見物してから、へびさんは帰っていきました。
飛び立った小鳥たちが、来年また、もっとたくさんの卵を産んでくれるでしょう。
へびさんは木に登る練習をたくさんして、来年またがんばろう、と思いました。