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矛盾な生き物
彼は限界をむえようとしていた
「どういうことなんだ? どう解釈すればいいんだ?」
彼は必死に考えていた。
「まるで訳が分からない、何をどうすれば……」
計器類は悲鳴を上げて煙を出しており、各コンピュータの処理能力も限界に近づいている。しかし、彼はどこから手を付ければいいのか分からないでいた。
「もうだめだ、もうだめだ、どうすることもできない! もう限界に……」
けたたましい音を上げ、頭から煙を出した彼は停まってしまった。周りにいた者は、落胆に満ちた表情で彼に近づいていった。
「博士… またしても失敗ですね……」
助手のひとり、サポサポが言った。
「あぁ、そうだな… 今回は成功すると思ったのだがなぁ」
停止してしまったロボットを触りながら、博士のドクドクはそう言った。
「様々な専門知識・運動データを入れるところまでは上手くいくのだが、人間や法のデータを入れるとすぐにこれだ………」