high億万担長者
俺は宮島という男である。この太刀猿町のガソリンスタンドで働いていた。そんな中、一人の客が来て俺の運命が変わったのだ。
それは町長が来店したことである。
「すみません。ハイオク満タンでお願いします。」
「ハイオク満タン入りました!」
「はぁ…ハイオク満タンとか自虐としか思えねぇよ。ワシは必死に過疎化や少子化を食い止めるために頭を張り巡らしているのに。」
よくよく見たら町長であった。
「何でハイオク満タンが自虐としか思えないんですか?」俺は尋ねる。
「ハイオクはな。廃れた家屋の廃屋もある。それこそ町には廃屋が数多くある。このまま行けば廃屋満タンも有り得るぞ。」
「それは大変ですね。廃屋満タンは。治安も悪くなりそうですね。」
「まぁ、ワシは人間界のボスであり、猪帝国や鹿連合王国などに土地を割譲する可能性も無くはない。」
「その、猪帝国や鹿連合王国ってのは軍隊持っているんですか?」真面目に俺は返した。
「ハハハハッ…面白い奴じゃのぉ。あくまでも比喩表現に過ぎない。実際にそんな帝国なんてあらへん。よし、若者よ。ガソリンスタンドのアルバイターやめて役場に就職せんか?ハイオク満タンも良いけど、廃屋に人を入れて満タンにするのもいいんじゃねぇか?」
「役場に就職できるんですか?でも俺はコミュ障だし、とても受け付け事務なんてがらじゃねぇし。」
「安心しなされ。この町には人口が80人しか居ない。」
「分かりました。そこまで言うのでしたら転職致しましょう。宜しくお願いします。」
ここで人生が転換した。
そして数ヵ月も経てば町は活性化して、廃村の危機は無くなった。