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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

逆ハー狙いの転生ヒロインも幸せになりました~蛇足~

作者: わなたれ

本当に後悔しないね?

私の初恋が絶望で幕を閉じたその日、私は本当に愛する人を得ました



私を今まで聞いたことの無い冷たい声で詰り(なじり)あの天使の名を持つ少女を連れて去る彼

去り際に少女が私を見たけれどその表情は涙で見ることはできません

なのになぜか嘲笑していることはわかってしまいました

同時に理解しました、彼女は彼を騙していると

彼は第2とは言え私の国の王子なのです、国のためにもそんな彼女を彼の恋人にするわけにはいきません

……わかっています、私は国のため王子のためといいながらその実、諦めていたとはいえ恋していた彼を奪った彼女に嫉妬しているのだと

けれども国のため王子のためという大義名分を得た私の醜い心は増大していきます

彼女を彼から引き剥がさなければ、例え


 ド ン ナ テ ヲ ツ カ ッ テ モ


そう思った時私の肩にそっと誰かの手が触れました

驚いて振り向くとそこにはクラスメートの少女の顔がありました


クラスメートといっても親しいわけではありません、せいぜい挨拶を交わす程度です

彼女は容姿や成績など全てが平凡で休み時間は1人で読書などをしている大人しい娘のようでした

そんな彼女が私を心配して家に誘ってくれています

どうやら最初から見られていたようです

恥ずかしさから断ろうとしたけれど今家に帰れば彼と顔を合わせることになると言われ、時間を空けて冷静さを取り戻した方がいいというアドバイスを受けたこともあり彼女の家にお邪魔することにしました

着替えなどは同僚の侍女に持ってきてもらえるよう連絡することにします


ただで泊めてもらうのも気が引けますので料理をさせてもらうことにしました

はじめて使うキッチンで勝手がわからずちょっと失敗してしまいましたが彼女は美味しいと笑顔で食べてくれました

何だか少し心が軽くなった気がします


お風呂から上がり言われた通り寝室に行くと既に布団が敷いてあり寝る準備はできていましたが彼女は私に暖かいミルクティーを渡し話を聞く体勢になります

そういえば相談に乗ってくれるといっていましたよね

何が変わるわけでもないでしょうけど話してみましょうか…

ミルクティーはとても甘かったです


彼女に話したのは間違いだったのでしょうか

彼女は放っておけといいます、あの女に騙されている彼を放っておけと

そんなことは出来ないと怒鳴る私に彼女は冷静に言いました


「あの手の女性に簡単に篭絡される王子なんて国にとっては害にしかならないのは貴女もわかっているのでしょう?

それならこのまま王子としての権限を取り上げて自由に生きてもらった方がいいんじゃないかしら

なのになぜ貴女はあの王子に構おうとするの?」


彼女の言葉に私の大義名分は崩れ去り私は沈黙するしかありません


なぜ彼を構おうとするのか、おそらく彼女はその答えは知っています

私に心の整理をさせるためにあえて聞いているのでしょう

だから彼女は急かさない、ただじっと私の言葉を待っているのです

話してしまえば私の恋心は完全に終わってしまう、なぜかそんな気がします

そのことに恐怖して話す勇気を持てないでいましたが

ふと彼女を見ると彼女は優しい慈愛に満ちた目で私を見ています

気付くと私は彼への思いを口にしていました


一度喋りだすと堰を切ったように言葉が溢れだしてきます

私は勢いにまかせて思いのままを話しました、けれどあの女のことを話そうとすると涙と共に醜い思いが溢れ出しそうになります

そんな私を彼女は抱きしめてくれました、私の体に彼女の温もりが伝わってきます

私は子供のように泣き、胸の内にあった醜い想いを全て吐き出しました


どのくらいたったでしょうか

ようやく落ち着いた、思ったよりスッキリしています

不思議なものです、あれほど辛かった出来事なのに今は受け入れられています

まだ少し胸は痛むけれど…


冷静さを取り戻した私は急に恥ずかしくなったけれど頑張ってお礼を言うと・・・唇を奪われました

・・・え?…あれ?なんで??

突然のことに思考が麻痺します

そうしているうちにだんだんと私の服が脱がされていきます

慌てて彼女を押しのけようとするけれど上手くいかない、どうにも力が入らないというか思いどおりに体が動かない

一瞬薬を盛られたのかと思ったけれど彼女を押しのけようとしたり逃げようとすること以外では問題なく動きます、わけがわからない

そんな混乱している私の耳元で彼女が囁く

その言葉は甘く優しく私の心に染み込んできて私を蕩かしてゆく

そして私は彼女れいを受け入れました



私が目を覚ましたのは朝の10時を回ってからでした

何時眠ったのか覚えていません、というか私は気を失ったのでしょう

色々な道具も使って攻め立てられて最後の方の記憶は定かではないのですが何やら恥ずかしい言葉を只管言っていた(言わされていた?)気がすます

礼は実は悪魔なのかもしれないと半ば本気で思ってしまいます

けれど机の上の書置きから私の心と身体を心配している様子が読み取れると、心配するくらいならしなければいいのにと思いながらも自然と顔が綻び子宮が疼くあたりもう引き返せそうにありませんね

台所をみると深皿とスプーンがあるだあけで使われた形跡がないので、おそらく朝食はシリアルで済ませお昼は食堂か購買で買うつもりなのでしょう

今からお風呂に入りお弁当を作って登校すればちょうどお昼休みですね

私は礼とお昼ご飯を食べている様子を夢想しながら準備を始めます

ふふ、こんな気持ちで登校できるなんて昨日は思いもしませんでした、私は案外現金な女なのかも知れません


教室に入るとクラスメートの人達が遠巻きに見ながら何やらヒソヒソと話しています

雰囲気から察するにあまりいい話ではなさそうですね、正直気分のいいものではありません

ですが笑顔で迎えてくれている礼を見るとそんなことはどうでもいいことと思えるので不思議です


礼は私が不快な思いをしないように人気のない場所にきて私の作ったお弁当を美味しそうに食べてくれました

私はそんな礼を眺めながらお弁当を食べ終わった後何をしようか考えてドキドキしています、私は自分で思っていたより破廉恥な女のようです

そんな私の幸福な時間は新たに来た3人によって、いえ正確には2人によって壊されてしまいました

最初は単に人が来たことを邪魔に思いましたが彼らの位置から私達の今いる場所は死角になっていて私達に気付かず話を始めたのでこれはこれでありかもと思い直しました

それも話の内容とあの女(・・・)の声を聞くまででしたが


軽薄そうな男が男の目の前にいる女生徒(愛理というようです)に文句を言って男の隣にいるあの女も便乗して女生徒をせめています

そして女生徒の言い分をほとんど聞くことなく一方的に攻め立てて彼らは帰っていき、残されたのは泣き崩れる女生徒だけ

それはまさに昨日の私を見ているようでした

彼女自身に問題が無かったかどうかはまだわかりません(恋は盲目と言いますし)が、今の彼女を放っておくことはできません

彼女が今どんな思いを抱いているのか私には手にとるようにわかります

このままでは私と同じように暗い思考に取り憑かれ道を誤ってしまうかもしれません

軽薄男の態度は横柄でちょくちょく話のすじに関係ない中傷が入るので私の中で軽薄男の有罪は確定しています

そんな男の為に彼女の人生が台無しになるかもしれないなんて同じことを経験した私には許容できません

早急に彼女を立ち直らせないと……

話を聞いて慰めるだけでは不十分かもしれません、失恋には新しい恋が1番の特効薬と聞きます

やはりここは私と同じ体験(・・・・・・)をしてもらうのが確実ですね

私の国は一夫多妻ですので礼が他にも恋人を作っても気にしません

それに私は王子の後宮のお世話(秩序の維持含む)をするための勉強をしていました、何人増えようとも御してみせましょう

ですので後は礼と彼女次第です

私は礼に彼女を私と同じように(・・・・・・・)助けたいとお願いしました

礼は『いいよ』と何の気負いもなく即答してくれました

さすが私の礼です、その辺の男共とは器が違います

それでは彼女に声をかけるとしましょう


私は今食料と彼女の替えの下着(サイズは見ればわかります、侍女の嗜みです)を買って帰っています

彼女は話が終わったら帰るつもりのようですが帰れないでしょうからね

彼女のご両親も出張で今日は家に居られないらしいので何の問題もありません


彼女は今礼の腕の中で泣いています

礼は助けると言い出した私がその役をすると思っていたのか、私が泣き始めた彼女を昨日と同じように慰めるように言うとちょっと驚いていました

さすがに礼もこの辺のことはわかっていないようです

まぁ、それも仕方ないことでしょう、このようなことは一夫一婦制の国では教わらないのですから

これは誰に助けられ誰に想いを捧げているのかを自覚するために必要なことなのです

そしてその自覚は今後秩序を保つために必要なものでもあるのです

さて、そろそろ泣き止むようですね、準備しないと


愛理も無事に私達を受け入れてくれました、やはり気を失っていますが

さぁ次は私の番です

ちゃんと平等に扱わないと秩序が乱れてしまいますから頑張ってくださいね、私のご主人様


あれから1ヶ月ほど経ちました

まさかあの女が半月ほどであと3人も毒牙にかけるとは思っていませんでした

なので礼のおかげで気持ちの整理はついていたとはいえ、最初はあの女やいいようにされてる男達を見て憤慨していましたが今ではどうでもいい存在になりました

1人の女を取り合っているせいか段々悪くなっていく男達の周りに対する態度と行動

そしてそんな自分を最優先しようとしている男達を見て悦に浸る女

正直もうどうでもいいです

まぁ、おかげで同じ人を愛する同志が私を含め5人も集まることができました

皆良い娘達ばかりで、しかもそれぞれ何かしらの力(家の力を含めて)を持っています

これは上手くすれば私達の居場所を作ることができるかもしれません

礼にはがっかりさせるといけないので確定するまで秘密にするとして、あとの皆で話し合ってみましょう


さらに半月が経ち、皆の協力が得られることになったので国王様に王子のことの報告と交渉を行うために連絡を取りました

国王様は王子のことを聞くと呆れ果て私に謝罪なされました

何でも娘に恵まれなかった国王様は私を実娘のように思っていてくださっていて私の想いもわかっていたので私を王子の正妻に向かえるつもりで後宮の勉強もさせて王子と一緒に日本に送り出したそうです

王子の処遇は私に一任されることになりました

私は驚きましたが国王様は私を信頼してくださっており、この国の王子としての資格なしと判断したときは遠慮なく王族の権限を剥奪してくれと、それが王子のためでもあると頼まれました

そこまで言われては私も否とは言えません、謹んでお役目を承りました

実際にどうするかは彼がこの恋から覚めたあとどうするかで決めようと思います

それはさて置き、国王様は王子の無体な言葉と行動のお詫びにある程度の願いを叶えてくれるとおっしゃってくださいました

私はそれならばと交渉するつもりでいた2つの事柄を話してみました

1つ目の私以外の5人のオイジア王国の国籍の取得はすんなり認めて貰えました

しかし2つ目の一婦多妻は国法を変えなければならないので無理だと言われました

当然でしょう、5人の国籍取得で切る予定のカードを一婦多妻の方に加えることができるようになっただけでも僥倖です

それでは交渉を始めましょう



何とか認めて貰えました

オイジア王国はレアメタルの産出国として外貨を稼ぎこれから発展しようとしている国です

なので国としての知名度も他の色々な資源や技術も足りておらず、教育や文化などもまだまだ未熟です

そこで国の発展に協力し実績を上げることができればその功績を持って特例として認めてもらえることになったのです


愛理さんのお父様にはメディアを発展させるための人材の紹介をしてもらいます

茜さんはオイジア王国の代表としてオリンピックに出てもらいます、彼女は元から代表候補でしたが礼と付き合うようになると急激にタイムを伸ばしこの前の大会では出た種目全てで世界新記録たたき出していました

本人曰く礼にすごいところを見せて褒めてもらいたかったそうです、人間何がきっかけで殻を破ることができるかわかりませんね

鏡子さんのお父様には王国に訪問してもらうことになっています、それとは別に学校も寄付して下さるとのこと

鏡子さんは対価として個展を開いてそれに招待するという形で有力な旧華族の人達とお父様に引き合わせるそうです

これは彼女から言い出したことで彼女のお父様は自身の権力を強めるために彼女と彼女のお母様の力は借りるつもりはなかったようです

斎さんのお父様は会社の支社と工場を建て技術協力もして下さることが決定しています、将来的には彼女が支社長になる予定とか


茜さん以外は家の力を借りていますがちゃんと我が国とそれぞれの家にとって利益になるよう取り計らっていますので問題ないでしょう

もっとも皆さん娘の頼みだからという理由で動いてくださっている面も多分にあります、どこの国でも父親は娘に甘いものです

まぁ、一婦多妻が実際に認められるのは国に貢献した後になるので数年先になるでしょうが私達はまだ未成年なのでこれも問題ありません

ちなみに私達の目的もちゃんと家族には伝えてあります

お父様方はどこかの馬の骨にやるよりマシだと言って実の孫を抱かせることを条件に許可を出してくださいました


さて実の孫についてですが当てがあります

斎さんの会社が出資している研究所の1つに卵子同士または精子同士で子供を作る研究をしている所があるそうです

元は同性愛者の研究者達が集まって自分達の子供を作るために研究をしだしたのが始まりだとか

そしてその研究はほぼ実用化(さすがに精子同士だと器となる卵子がいる)されていて動物の品種改良や絶滅危惧種の繁殖に使われていて、人間でもそうやって誕生した私達と同じ年頃の子供達がすでにいるそうです

生殖機能をはじめ身体にも遺伝子にも何の問題もないとのことで、科学の進歩は素晴らしいですね

私と礼の子供、フフフ…



最近あの女がまた何か企んでいるらしいです

これは愛理が会長を務める“ソープ嬢の正体を晒そう友の会”(命名は愛理ではないそうです)通称SSSからの情報でかなり確度の高いものです

SSSとはあの女が所謂逆ハーレムというものを築いてからそのことに反感をもった人達の中でも一部の人があの女をいじめだしたのですがあの女がそのことを利用して逆ハーレムの男達の感情をコントロールしているのを知った愛理さんがまだいじめをしてない人達をまとめて作ったものです

彼女は人をまとめるのが上手い、軽薄男のファンクラブ会長をしていた経験もあるのでしょうが基本的に人の感情の機微に敏感なようです

そんな彼女がまとめているSSSのメンバーは今のところ斎さん提供の高性能ボイスレコーダーとペン型カメラを使ってあの女の正体と逆ハーレムの男達がやらかしたことの証拠を秘密裏に集めているだけです

なので最初にいじめをしていた人達が逆ハーレムの男達に排除されてからは表面上は平穏な日々が続いていた(ときどきあの女は自作自演でいじめを演出していましたが)のですがそれももうすぐ終わりのようです


あれから更に情報が集まってきました、あの女はどうやら私達の礼を標的にして濡れ衣を着せようとしているそうです

最初から私達5人がいじめの黒幕で今も礼を使っていじめているということになるらしいです

私達に干渉しないのであればもう少しほっとくつもりでしたがそっちがその気なら遠慮なく叩き潰して差し上げましょう


礼は良くも悪くも素直で優しい人なのであの女の計画は話さない方がいいでしょう、きっと態度に何かしら出てしまうでしょうから

何も知らない礼を囮にするのは心苦しいですが彼女なら万一何か不測の事態が起こっても対処できるので安心です

何せ彼女は合気道と言う武術を修めていて逆ハーレムの男達を一度に相手にしても勝てると断言していたのですから



さてあの女の逆ハーレムとやらを叩き潰してから学園側にこれまでの所業を証拠つきで提出した結果、彼女らは3学期が始まるまで停学となりました

それに加えて冬休みの間中男達は学外でのボランティア活動、あの女は私達への奉仕だそうです

そのことを聞いた鏡子さんがこんな提案をしてきました、『私の所有する別荘の地下に座敷牢があるのですが、彼女にはそこで本当の意味で(・・・・・・)反省してもらいませんか?』と

私達は急遽冬休みの間中鏡子さんの別荘にいくこととなりました


私達が色々な意味で聖夜を楽しんだ後あの女が来るのを待っているとなぜか元逆ハーレムの男達もやってきました

話を聞いた礼の説明によると私達に謝りたいのだそうです

出発までまだ時間がありましたので会うことにしました

ただし一度に会うと収拾がつかなくなるおそれがあるので謝りたい人物を指定してもらい個別に会うことになりました


私達のいる部屋の中は今、諦め・諦観・侮蔑・怒りなど様々な感情が複雑に絡み合った空気で満たされ、もはや薄ら笑いしかでてきません

なぜなら逆ハーレムが形成される以前から関係のあった人物しか呼んでいないのです、誰一人として(・・・・・・)

普通なら私達全員に謝るべきなのに礼すら呼ばれていないなんて考えられません

彼らは今私達の前にいる泡姫ありえるという少女と過ごしていた間のことは無かった事にでもするつもりなのでしょうか?

礼なんて濡れ衣を着せられそうになったあの日散々侮辱された上に一人には暴力すら振るわれたというのに……

まぁ、彼は見事に返り討ちにあっていましたがそれとこれとは別問題です


斎さんが軽くため息をついた後に礼と泡姫ありえるを連れてリビングに向かいました

私も残念ですよ、王子

あなたも、もう恋から覚めたというのに変わっていないようですね

私は携帯で同僚に電話をしました、これで今日中に王子のことが国王様の耳に入るでしょう

スーン、いえスライマーンさん

これであなたが望んだ通り王子という役から開放されもう国に縛られずに自由に生きられますよ、よかったですね

しかし、あなたの門出を祝ってくれる人はいないでしょう

ですからせめて私だけでも祝って差し上げましょう、礼と結ばれるきっかけをくれたことにだけは本当に心の底から感謝しているのですから



今私は鏡子さんの別荘の地下に続く階段を降りています

しばらく進むと座敷牢と呼ばれる部屋に着きました、ここに来るのは3日ぶりですね

部屋の中では斎さんが泡姫を攻め立てながら耳元で何かを囁いています

鏡子さんはそれを椅子に座って眺めています、どうやら休憩中のようですね


「順調に進んでいるようですね

はい、ご飯をお持ちしましたよ」


「ありがとうございます

えぇ、はっきり言いいまして当初の予定は終了しています

後は時間の許す限りより強固に心に刻み付けるだけですね」


「最初この話を聞いた時は怖いことを考える人だと思いましたが上手くいったようで何よりです」


「あら、怖いなんて心外ですわ

人格に問題のあった泡姫さんをちょっと強制的にですが矯正して差し上げようと言ったまでですわ

泡姫さんも嬌声を上げるほど喜んでいらっしゃるじゃないですか

第一誰も反対などしないで、むしろ皆さん乗り気だったように見えたのですが私の気のせいだったのでしょうか?

それに怖いというなら実質僅か2日で泡姫さんの心をへし折ってしまわれたシェーラさんの方がよほど……」


「いえいえ、あの程度侍女としての嗜みですわ」


「「フフフフフッ」」


「いや、貴方達2人とも普通に怖いから

それより鏡子、私はそろそろシャワーを浴びて愛しい礼に会いにいくから彼女にご飯を食べさせてあげて」


「わかりました

シェーラさん手伝ってもらえますか?」


「もちろんです

喜んでお手伝いさせていただきます」


「壊さないように程々にしときなさいよ

えーっと、礼は今どこだっけ?」


「今は茜さんと道場の方にいるはずですよ

それと愛理さんがご要望通り斎さんの部屋にすっぽん鍋を用意しているはずです

どうぞ楽しんで(・・・・)きて下さい」


「ありがとう、シェーラ

ここじゃ攻めてばかりばかりだからおもいっきり可愛がって(・・・・・)もらうわ

それじゃ」


「さて、泡姫さんが物欲しそうな目でこちらを見ていることですし、早くご飯を上げなくてはいけませんわね」


「まったく、ちょっと放って置かれただけでそんな目をするなんてまだまだですね

礼の傍に侍る者(ペット)としてちゃんと教育しなければ」


「フフ、はりきっていらっしゃいますね

礼さんはこのプレゼント喜んでくださるかしら…」


「もちろんです!!」


「…そうですわね

礼さんは義兄と違って器の大きな人ですものね」


「はい、礼は私達5人を満たした上でまだ有り余る愛を持っている人です

泡姫も本当の幸せを得ることができるでしょう」


「泡姫さんのお披露目して皆さんで楽しむ最終日

待ち遠しいですわね」


「えぇ、本当に」



Fin

┏( ;〃。 _ 。〃 )┓<ゴメンナサイ

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― 新着の感想 ―
[良い点] えがった! [一言] ご馳走さまでした。
[一言] >「いえいえ、あの程度侍女としての嗜みですわ」 後宮ではこんなのが日常なんかい?!
[一言] 結局シェーラに礼が押し倒すときにどんな甘い言葉を囁いたのか分からないままかよww 失礼。面白かったです!
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