表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺のトモダチ事情。  作者: 日向栞
【日常、夏。】
19/19

班員集合。

大変、投稿が遅くなってしまい申し訳ありません!!

これからも、のろ……のろ……、と投稿させていただきますm(_ _)m

「私は思うのですよ」

「……はぁ」


 少し廊下に出た間に、俺の席に座っていた実咲がしっかりと前……黒板を見据えて呟く。不機嫌でもないが良いわけでもない、かといって感情がこもってないわけでもない、形容しがたい声だった。


「全て自分で決めるからこそ、責任や自覚が生まれるのではないかと!!」

「いや、別に自分で決めなくとも責任は課せられるな?」


 イスに後ろ向きにまたがって、実咲と向かい合うような形で一樹が笑う。珍しく、的確なツッコミをする一樹にツッコみミたくなったが、空気を読んで黙視した。

 ちなみに、一樹の横には黙々と“修学旅行のしおり”と書かれたファイルを読む菖蒲が立っている。菜乃花は着席したまま、ずっと黒板を眺めている。まるでコンサートのチケットが当たったかのように、うっとりとしたような表情で、目がキラキラと光っていた。

 それを追うようにして、俺も黒板を見る。大きさも字形もバラバラで、色さえ統一されていない単語が複数の塊になって、数字が振られていた。


「運が良いのか、悪いのか……」


 この5人が、修学旅行のメンバーになった。





「なんで、男子と女子の組み合わせはクジなのかなぁ!?」

「じゃないとなかなか決まらないからよ」


 歯軋りをしながら恨めしそうにクジの紙を握りつぶす実咲に、菖蒲が平坦な声で答える。読むことに集中しているせいで、声も表情も冷たくなっている菖蒲に、いつもの面影はない。


「恨むなら、自分のクジ運の無さにしなさい。諦めがつきやすいから」

「……いんちょー様が酷い、しかも怖いー」


 あっさりと、どうでもいいような表情になった実咲が机を抱きこむかのように突っ伏す。

 一樹がその上にファイルを寝かせて置いて、楽しそうに何かと書き込んでいる。横目でそれを見ていた菖蒲が、小さく指摘をしているところから察するに、班名でも書いているのだろう。アイツの名前は中々書きにくいから。


「あー班長はいいんちょーの菖蒲でいいだろー? 地図係りとか時間係りとかもどうせ葉月とかが請け負ってくれそうだし……適当に割り振っていいな!!」

「「よくない・ねぇ!!」」


 そろってツッコむ。何恐ろしいこと考えてやがるんだこいつは。葉月が、といわずに葉月とかが、といった分まだマシかもしれないけれど、いや、たぶん適当に言っただけだから俺に任せる気だ。

 同時に叫ばれた一樹は、目を丸くして顔を上げる。


「え、ダメなのか?」

「いや、いいと思うのか普通!?」

「あんたの頭どうなってんのよ!!」


 読み終えて、普通のテンションになった菖蒲が一樹の頭をファイルで叩く。しかも表紙じゃなくて背表紙。コッ、と軽い音を立てたわりにダメージが大きかったらしく、小さくうめき声が聞えた。


「えぇ、だって実咲は無理だろ?」

「お前の中で、私はどんだけダメ人間なのかなぁ!?」

「道迷いそうだし、時計失くしそうだし読み違えそうだし」

「う゛」


 一樹のファイルを払いのけ、顔を上げた実咲がすぐに机に突っ伏す。……悪いな、俺もそう思う。今回は一樹のほうが正論だ。

 一人で「うんうん」と頷いていると、一樹が自分を指差して続ける。


「俺、時間気にしねぇし。未だに学校で迷うんだよなぁ」

「お前もダメじゃん」

「残るは菜乃花ちゃんだけね……」


 特にツッコむことなく実咲と一樹を外した菖蒲が、菜乃花に目を向ける。あいつらはいいとして、俺はどうなったんだ? 


「あんたは余ったの」


 口に出した記憶はないが、返答が来た。そして酷い。


「私が班長をやるのは、まぁ良いけれど……菜乃花ちゃん、時計か地図、どっちがいい?」


 未だに黒板を見つめていた菜乃花が、こちらを見る。一瞬、惚けた顔をしたが、すぐに状況を把握して、少し言いづらそうに苦笑いをした。


「時計係りがいいです。……地図は、ちょっと自信ないので……」


 ……だよなぁ。俺も、自信ないんだよ。

 一本でも道間違えたら、何もかもダメになるっていうプレッシャーもあるし。


「じゃ、葉月地図ね」


 無情な声が響く。

 流石に菜乃花に地図を頼み直すのはいけないだろう。


「……おう」


 ネットでしらべようかな、うん。

 どっかのネット先生が、映像で道を教えてくれる機能があると、昔教えてもらったのを思い出しながら、俺は自分のしおりに、メンバーを書いた。





[修学旅行 自由時間の班]

班長:姫島(ヒメジマ)菖蒲(アヤメ)

副班長:近藤(コンドウ)一樹(カズキ)

時計係:斎藤(サイトウ)菜乃花(ナノカ)

地図係:佐藤(サトウ)葉月(ハヅキ)

保健係:内藤(ナイトウ)実咲(ミサキ)






 退屈しなそうだし面白そうだけれど、大変そうだし心労がハンパない班だとも思った。






実咲「ねぇ、保健係ってなによ?」

葉月「余った人間の、応急措置だと」


……そういうことです。

他に何の係があったか思い出せなくて(笑)


あ、2人で同じ係りだったかもしれません。

とりあえず、全員係りがあったと記憶しているんですが……!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ