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第83話 トラと胡蝶の姉さんの様子は?(2)
「ああ、旦那さまが私へと尋ねたのは《《探索》》の妖術のことだったのですね~?」
そんなトラへと胡蝶さんは姉さん女房だから、若いトラのことを息子でも見るように優しく微笑みながら見詰めつつ言葉を返したよ。
「うん」
トラ自身も胡蝶さんが自分よりも年上のお姉さまだと知っているから、幼子のように可愛く頷くと。
「……旦那さまたちが仙術と言っている能力は、私たち、獣人族……と言うか? もう旦那さまは、私の夫ですから、お捨てにするような酷いことはなさらないと信じていますから、申し上げますが……。私たちは本来は獣人と呼ばれる者ではなく。妖怪や妖魔、魔族と呼ばれる者たちで……。今は亡き、前魔王さまの五虎大将軍の一人、九尾の狐の血を引く者の生き残りで……。前聖戦で人間に敗北したために一族はみなごろしに遭い……。それでも私の母は何とか逃げ延び、世間から隠れるように生活していたのですが、流行り病を患い他界……。その後私たち三姉妹は人の手により捕らえられ、物珍しいからと幼少期に奴隷として売られていたのを、今は亡き先代の村長に救われ、庇護されてきた者なです、旦那さま……」




