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第105話 昇格と降格(4)
しかし白髪御老体こと、麗芙安さまが《《竜伯》》と名指し、呼んだ人物は年齢のわりには背筋も伸びて威風堂々と歩きながら、司徒さまの前へと歩み寄っていく。
そんな御老体の容姿を謁見の間にいる、王兄弟や文官の者たちは。
「竜伯さまだ……」
「白竜さまだ……」
「仙人さまが来られた……」
「……何故、蜀の山奥に住んでいると言われている伝説の勇者さまが何故、呉の建業へとおいでになられた……」
「さぁ?」
「知らん?」
「わからん?」
「何故ゆえに?」
「何故だ?」
「何故だろう?」
と、各自各々がとにかく顔色を変え困惑しながら、自分の周りにいる者たちとヒソヒソと会話を続け、喧騒し始めるから。




