第32話 ここは何処? と悩めばいきなりイベント? (6)
俺は嫌悪感を募らせ、娘を猜疑心のある目で見るけれど。
まあ、今はそんなことはどうでもいいことだから、俺は今のこの最悪な状態を何とか打破しないといけないと思うから。
「お~い! トラ、山ちゃん! 森の出口が見えたから。森の外に出て視界が晴れて広い場所ならば。その場所で、この虎の化け物を退治するからな。三人共戦闘モードへと切り替えて武器、防具を召喚! ──トラは魔法で自分の身体を固くして、剣と盾を装備! ──あの化け物虎の攻撃を受けつつ攻撃しろ! ──山ちゃんは取り敢えず鍬でトラを攻撃! ──虎が俺とトラに攻撃が集中し始めたら。山ちゃんは和弓で強力な攻撃を入れてくれ頼む!」
と俺は二人へと指示──。
「……そこの娘さんは取り敢えず、俺たち三人から離れた場所で身を潜めていてくれるかな? あんたが俺達の近くにいれば戦いがやりにくい。だから頼む……」と。
俺が娘へと指示をだせば。
「はい、わかりました……」と。
娘はこれまた素直に了承をしたから。俺はやはりこの娘は少し可笑しいと首を傾げるのだった。
◇◇◇
「……む、無理だってぇえええっ! ミチのあんゃん! 儂はあんな化け物の攻撃を受けることなど出来んけぇえええっ!」
「……トラ君の言う通りですよ~! ミチノリさん! 僕が鍬であの巨大な虎を叩いたからと言って相手に攻撃が効く訳はない。──それに僕~! 弓なんて撃ったことがないから無理です~~~!」
まあ、相変わらずこの通りだ。俺がトラと山ちゃん、そして何故か背に薪を背負っているのに妙に足の速い、ツイン団子の淡いピンク色の魅惑的な大きなスリットの入ったチャイナドレスを着衣していないのが少し残念、無念なパンツ使用の娘へと指示をだしたが。
娘は俺たちの戦闘が始まれば、戦いの邪魔にならないように逃げ、隠れるだけだから素直に了承した。
しかしトラと山ちゃんの二人は今にも泣き出しそうな顔で巨大な人食い虎から逃走しつつ俺に無理だ! 出来ない! と嘆き、叫びつつ拒否してきた。
だがこのまま俺たちの背後から「ガォ、オオオッ!」、「ガォ、オオオっ!」と吠えながら、自分の口を大きく開け──追ってくる巨大な化け物のような人食い虎から逃げきることは不可能だ!




