第30話 城門爆砕! 姫武将無双! 空から狙撃! 救出はラブコメ!(2)
城門が粉々に砕け散った瞬間──
砦内の盗賊たちが一斉にこちらへ殺到してきた。
「うわっ、来た来た来た来たぁあああああああああっ!」
俺が如意棒を構えたその時──。
「あなたさまに触れようとするなんて……許しませんわぁああああああっ!!」
妖蘭の声が響いた。
次の瞬間──。
《ズバァアアアッ!》
《ドガァアアアッ!》
《バキィイイイッ!》
盗賊たちが、まるで紙切れのように吹き飛んでいく。
「妖蘭!? ちょ、ちょっと待て!? 強すぎない!?」
「あなたさまを守るためですもの~! この程度、当然ですわ~!」
妖蘭は奉天画戟を振り回しながら、盗賊をまとめて薙ぎ払う。
その姿は──完全に《《姫武将呂布奉先》》(九尾狐ver)──
しかも、俺の周囲に近づこうとした盗賊には、容赦ゼロ!
「あなたさまに近づくなぁああああああっ!!」
妖蘭の尻尾が九本すべて逆立ち、妖力が爆発。
盗賊たちはその圧に怯え、足がすくんで動けなくなる。
「ひいいいっ! なんだこの女あああっ!?」
「九尾の狐だ! 九尾の狐が怒ってるぞぉおおおっ!」
妖蘭は俺の前に立ち、盗賊を一人も近づけさせない。
「あなたさまはわらわが守ります~」
その甘い声とは裏腹に、動きは完全に鬼神──
俺は思わず心の中で叫んだ。
(いや、守ってくれるのは嬉しいけど……怖い! 妖蘭、嫉妬で強化されすぎだろ!)
その頃上空組は──誤射事件発生! 胡蝶、烈火の如く怒る!
一方──その頃、雲の上では……
「よし、寒椿さん! 次の魔弾いくよ!」
「うんよ! あんた~、しっかり狙いんさい!」
山ちゃんが鬼火の魔弾を構えた瞬間──。
「えっ……あれ? 照準が……ぶれる……ぶれる……!」
「ちょっと! あんた! また震えとるじゃろ!?」
「だって寒椿さんが尻尾で腰を抱きしめてくるから……!」
「落ちんようにしとるだけじゃけぇ!」
いつもの夫婦漫才をしながら狙撃していたが──。
「よし、撃つよ! えいっ!」
《バシュッ!》
「あっ……」
魔弾は盗賊の頭上をかすめ──
そのまま、地上で救出作業中のトラの方向へ一直線!
「トラ君、危ないっ!」
胡蝶が叫ぶ。
「えっ? 何が──」
ズドォオオオオオオンッ!!
魔弾がトラの足元に着弾し、地面が吹き飛ぶ。
「うわぁああああああっ!?」
「旦那さまああああああっ!?」
胡蝶はトラに抱きつき、二人まとめて転がった。
そして──。
「山ぁあああああああああっ!!」
胡蝶の怒声が雲の上まで届いた。
「ひぃっ!? ご、ごめん胡蝶さん!?」
「旦那さまに当たったらどうするんですかぁあああっ!!」
胡蝶の尻尾が怒りで逆立ち、雲の上まで妖力が噴き上がる。
「寒椿! 山ちゃんをしっかり固定しておいてくださいませぇぇぇっ!!」
「うんよ! 任せぇ!」
寒椿は山ちゃんの腰に尻尾を二重三重に巻きつけた。
「うわっ!? 寒椿さん!? 苦しい苦しい苦しいっ!」
「しっかり狙わんと胡蝶姉が怒るけぇ!」
山ちゃんは完全に拘束され、照準が安定した。
「よし、次は絶対外さんけぇ!」
上空組は、胡蝶の怒りによって戦闘力が強制的に上昇した。
だか救出組もラブコメしながらも救出は完璧──
誤射で転がったトラと胡蝶は──。
「旦那さま~、大丈夫ですか~?」
「う、うん……胡蝶が守ってくれたから……」
胡蝶はトラに抱きついたまま尻尾を絡めて離れない。
「もう……旦那さまに傷がついたら、わたくし……泣きますよ……?」
「ご、ごめん……ありがとう……胡蝶……」
完全にラブコメである。
しかしそのまま檻の前に着地し、胡蝶が妖力で鍵を破壊。
「みなさん、逃げてくださいませ~!」
村の娘たちの救出は完璧だった。
だから地上組……。
こちらも負けられないと言いたいところだけれど、嫉妬で強化された妖蘭の無双が止まらない
「あなたさまに触れようとするなんて……絶対に許しませんわぁああああああっ!!」
妖蘭は盗賊をまとめて吹き飛ばしながら、俺の前に立つ。
「妖蘭、ちょっと落ち着け!」
「落ち着いております~! ただ、あなたさまに触れようとする者が許せないだけです~!」
尻尾九本が逆立ち、妖力が炎のように揺らめく。
盗賊たちは震え上がり、誰も俺に近づけない。
(いや、守ってくれるのは嬉しいけど……怖い!)
妖蘭は完全に《《嫉妬で覚醒した姫武将無双モード》》だった。
六人の家族作戦は、さらに加速していく!
地上では妖蘭が嫉妬で無双し、上空では胡蝶の怒りで狙撃精度が上がり、裏側ではトラと胡蝶がラブコメしながら救出し、俺は如意棒で城門を粉砕して突撃する。
六人の家族作戦は派手に! 賑やかに! ラブコメしながら! 嫉妬しながら! ついに本格始動した。
◇◇◇




