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第122話 山ちゃんVS王陳将軍(6)
寒椿さんは今にも泣き出しそうな声音で自分の山ちゃんへと嘆願をした。
だから山ちゃんは敵将の恐ろしい話を聞き、更に憤慨していたが、自分の初めての異世界の押しかけヒロインさまが気弱になり、落胆して、今にも泣き出しそうだと気がついた。
そう山ちゃんは生前に病魔に侵され、奥さんを失くしているから。自分の伴侶が己よりも早く他界をした後の悲しさ、切なさ、寂しさも、俺やトラとは違い、もう既に経験をして全部悲しみは心得えているから。
山ちゃんは憤怒……。今までの恐ろしい形相をするのを辞めて、先ほどの優男振り……。
「ふっ、ふふふ」と微笑みながら、自分の背に抱きつき──。震え、怯えながら自分を助けてと歎願してくる、山ちゃんの新しい生涯のパートナーさまへと。
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