第119話 山ちゃんVS王陳将軍(3)
自分の命を守ってくれた仙術障壁は誰が展開をしてくれたのかは、小さな子供でも悟ることができるものだが。
でも寒椿さんは、自分自身が誰に不意打ちのような仙術攻撃──。ファイヤーショットを食らったのかは理解ができない。
「……や、山ちゃん、今の攻撃は?」
彼女は恐る恐る、自分の山ちゃんを見詰め声をかけた。
(えっ! や、山ちゃんが怖い)
でもこの通りだ……。今の今までこの御日さまのように笑顔を絶やさないでいた山ちゃんの顏は、自分の目の端を吊り上げ、憤怒……。大変に怖い顔をしているのを寒椿さんは初めて見た。
だから彼女は声がでず、自分の心の中で驚嘆した。
しかし寒椿さんは、彼女の山ちゃんが自分に対して憤慨している訳ではないと直ぐに悟るから。彼女は自分だけを意図的に狙った者──敵は誰? と直ぐに思う。
「……あら、上手く防いだみたいですね……? 可笑しいな……? 先ほど上手く逃げた狐の獣人に直撃して、今度こそ死亡……。後で生皮を剥いで剥製……。大変に珍しい九尾の狐の裸体の剥製を館の広間のコレクションに加えてやろうと思っていたのに……。まあ、良いでしょう……。その助っ人の冒険者を倒してから、今度こそ仕留め頂きますから……」
そう寒椿さんの紅色の瞳に映った敵は、先ほど彼女たち九尾の狐三姉妹が村の仲間たちと強力しながら対峙して争い、敗戦……。




