エコー検査の結果は…
ホワン♪ホワン♪
「平常心、平常心。結果がどうであれ顔にはだすな!絶対に出すな!」
ん?何をしてるかって?
これを見てくれ、スマホには幾何学模様がグルグルと回っていてホワン♪ホワン♪みたいな音楽が流れている。
もう気付いただろう。
自分に催眠アプリを使っているんだ。
ここは産婦人科にある男性用控え室、彼女たち妊婦さんは問診中だ。
他にも血圧や尿検査、そして一番見られたくないであろう体重測定もある。
最後の超音波検査までここで待機だ。
エコー検査では角度によって男女の判断が難しい場合があるようだが、ほぼ分かるそうだ。
皆は俺が男の子が欲しいと思っているのは知っている、けれど元気な子が産まれてくれれば性別はどちらでも良いとも思っている。
ただ、検査の結果を知って俺の顔が少しでも曇るような事にでもなったら彼女たちは責任を感じてしまうだろう。
そんな風にはしたくない。
そこで催眠アプリを使ったという訳。
コンコンコン♪
「陽太様、奥様方の準備が整いましたので診察室へどうぞ」
よし!行こう。
診察室に入るとベッドに真理さんがお腹を出した状態で寝ていた。横には先生がエコー検査の器具を持っている。
「陽太さん…」
「はは、そんな不安そうな顔しないでよ。赤ちゃんが元気ならそれでいいから。だって日本一の男性でも十人に一人でしょ?一般的には四十人に一人なんだから、それで真理さんを嫌いになんてならないからさ」
「ん゛ん゛!お熱い所失礼して始めさせて頂きますね。…はい、元気な女の子ですよ。お父さん見てください。ここに男性のシンボルがあると男の子なんですよ」
エコーの画面を見せられてもよく分からないな。
女の子なのは先生が言うのならそうなんだろう。
「…真理さん。良かったよ元気に育ってるって」
「うぅ、陽太さん、すみませんでした。男の子では無くて…」
「謝らないでよ、また二人目も頑張ればいいんだから、ねっ」
真理さんも先生もビックリしすぎでしょ?
ああ、また世間からズレた発言をしたのか、良いでしょ二人目がいたって。夫婦なんだから!
次は栞、千春、怜奈、亜実と妻から順番に診て行くようだ。
「ごめんなさい陽太くん」
「ヨータ、ゴメン」
「陽太くん…」
「ダメだったよ陽太」
俺の妻になった五人共に女の子だった。
でもゴメンもダメも違う。ダメなんかじゃ無い。
いいんだよ。四十分の一なんて引ける訳が無い。
そりゃワンチャンあるかと思ってたよ。
転生特典的なヤツ。
陽太無双で産まれて来る子全員が男の子まであるかと思ってたよ。
まあ、現実はこんなものだよな。
次からはクラスメイトが席順に診て行くのか。
「診させて頂きますね。…はい、元気な男の子ですよ。えっ!?男の子?嘘でしょ!あなた、院長先生を呼んで!早く!」
えっ?俺が院長先生を呼ぶのか?
ああ、俺の後ろに居る看護師さんか。
アワアワとテンパり、興奮しながら俺たちにエコー写真を説明する先生。
ここに突起がある?豆粒くらい?
いや、全然分からないよ。エコー写真全然分からん。
もっと「男の子やったー!」とかなるかと思ったが、「へーそうなんだ」という感情だ。
興奮する先生をよそにクラスメイトと顔を合わせ、首を傾げる事しか出来なかった。




