結婚式が無い世界で結婚式がしたい男
学園祭が終わり夏休みに入ってからも俺は実績作りの為に精力的に動いた。
この夏休みの約一ヶ月間、学園の生徒で妊娠しやすい時期の子、いわゆる危険日の子と関係を持った。
もちろんソレだけをした訳ではなく、デートをした後で休憩をしたんだ。
種付けとは言いたくなかった。
学園のほぼ生徒が俺との《《仲良し》》を希望している。夏休み後も頑張っていこう。
ほぼと言うのもB組の子は…悠斗が「僕のクラスの子は僕が全員妊娠させる!」と言ってきたからだ。
俺が実績作りの為に頑張る事を話したらこうなった。
「男児出生率で勝負しよう!」なんて言ってくるし、やはり俺をライバル視しているんだな。
そんなこんなで《《仲良く》》なった人数が百人を超えた頃、クラスメイト全員が家に来る事になった。
報告があるらしい。
クラスメイト二十人に俺と真理さん。
男性の家が広いとはいえ、流石に狭いな。
挨拶もそこそこに全員が俺に向き直ると。
「「「陽太くん、私たち妊娠しました!」」」
うん。知ってる。
知っているけど嬉しい。
人見知りで陰キャな俺がここまで成長できたのは間違い無く彼女たちと催眠アプリのおかげだ。
そんな彼女たちに俺との子供が…
嬉しく無い訳が無いだろ。
安定期に入ってからの報告なのだろうな。
流産の危険が少なくなるとかあったはずだ。
でもまだお腹のふくらみが目立つ子はいない。下腹がぽっこりしている程度、妊婦らしい丸みが分かるのはこれからか。
「陽太くん?何も言わないの?思っている事とか…」
こういう時も委員長である栞が話を促してくれる。
そうだよな黙ってないで言わないと伝わらないよな。
「嬉しいよ、うん、凄く嬉しい。えっと、思っている事か…そうだな、おっぱいが出るようになったら母乳を飲んでみたい」
「「「………」」」
「いや違う、違くは無いけど、キモいよな。あれだ、エッチなイチャイチャとかは出来なくなるけど、ハグしたり頭撫でたりはこれからもしていきたい」
「「「……」」」
あれ?みんな?
これもキモいの?
「ふふっ」
「「「あはは、だから言ったじゃん」」」
「「「だって~不安だったの~」」」
「「「陽太くんは陽太くんだった」」」
なんか不安だったようだ。
妊娠報告は性欲無し男性にとっては歓喜の言葉。義務で結婚した相手との義務での辛い子作りから解放される天使の言葉。
女性にとっては悪魔の言葉だろう。
この言葉を言ったが最後、自分の事を見て貰えなくなり、別居する男性も居るのだとか。
え~、頭では分かっていても不安だったのか。
そうかそうか、ハグして頭撫でてあげよう。
「では、陽太さん。こちらにサインをお願いします」
おお、これは婚姻届。
第一夫人は真理さんと既に決まっている。
後は、委員長の栞、目隠れ女子の千春、うなじの怜奈、太ももの亜実の四人。
五枚の婚姻届にサインをした。
これで夫婦になったんだな。
じゃあ。アレだ。
「お腹が大きくなる前に式場を決めないとだよな?」
「「「式場?何をするの?」」」
式場と言ったら結婚式だろ!
嘘だろ!?
結婚式が無いだなんて!
書類を提出しと終わり?
そんな…俺は結婚式がしたい!
そんなの、なんか味気無いだろ!
結婚式を知らないクラスメイトに説明をしていく。
挙式から披露宴。大きなケーキや美味しい料理。沢山の人に祝って貰うの!
…やらないの?別にいいかなって?
逆に嫌味にとられる?私が逆の立場なら参加したくない?
そ、そう。
そうなのか。
「じゃ、じゃあ、白いドレスを着た皆と写真が撮りたい!これだけは譲れないから!」
ふぅ、良かった。
これだけでも雰囲気は出るだろう。
「陽太さん、明日は皆で産婦人科に行くのですが、一緒に行きますか?」
「定期検診?」
「明日はエコー写真で性別が判明す…」
「行く!!」




