令嬢のお願いはレディースエステ
今、俺は自習室へと向かって歩いている。
後ろから着いてくるのは桜子さんとその護衛の女性。桜子さんには護衛が付いていた。要人警護のSPみたいなもんか。
それにしても桜子さんは何度見ても清楚な美人さんだ。清楚が服を着て歩いているよ。
長い黒髪はサラサラで艶々だし、スラッとした体型なのに女性らしい膨らみもある。なによりオーラが違う。
砂漠を歩けばそこに緑が生い茂り綺麗な花が咲くことだろう。自分でも何を言っているのか分からない。
絶賛混乱中だ。
だって彼女の口から。
「私にレディースエステをしていただけないでしょうか?」
なんて言われたのだから。
少し時を戻そうか。
「お初にお目にかかりますわ。私、桜子と申します。以後お見知りおきを」
「ご、ごきげんよう…」
桜子さんに挨拶を返したが、微妙な空気になってしまった。だがその空気を壊したのも桜子さんだったんだ。
「うふふっ、あなたは私に合わせようとしてくださるのですね。優しい御方ですわ」
「優しい?どこが?」
「こんな堅苦しい言葉遣いは止めにしましょうか。今のは殿方との距離感が分からない時用の挨拶なのですよ。陽太様には必要なさそうですわね」
そこからは普通に世間話をしていった。
彼女の丁寧な言葉遣いはだいぶ砕けたが、それでも丁寧な言葉遣いだった。
そして本題に入る。
「陽太様にお願いがあるのです。どうか私にレディースエステをしていただけないでしょうか?」
はい?レディースエステ?
「まあ、いいですよ」
頭と口が繋がって無かった。
繋がっていたのはきっと下半身だろう。
さっきまで演劇部の子とゴール寸前まで行ってお預けを喰らった影響もあったのだろう。
彼女の裸が見てみたいと思ってしまった。
なにより話しているうちに好意を抱いている自分がいたんだ。
桜子さんにレディエスをどこで知ったのか聞いてみると。
使用人が昨日の学園祭に来ていてブロマイドと動画を持っていた。それを仲間内で見て騒いでいるのを耳にしたらしい。
それで俺の事を「少し調べさせていただきました」なんて言われたのは少し怖かった。
だってそうだろ、一日でレディエスまでたどり着いたんだぞ。SNSにはクレープ屋の写真は上がっているがレディエスの話は上がっていない。
まあ、秘密にはしていないからどこからかは漏れるだろうけど。昨日も今日もレディエの話を持ちかけてきた人は居なかった。
回想をしているうちに自習室に着いてしまった。
本当にいいんだよな。
SPの人も中に入るのか。
「こういった事をするのは初めてなのです」
なんて言って、パンツ一枚の姿でソファーベットにうつ伏せになる桜子さん。
いい脱ぎっぷりだ。
それに何も聞かずにこの体勢になるなんて、何をするのかも知っているんだよな。
なら迷わず行けよ!行くしかない!
迷っていたら桜子さんに失礼だ…よ…
うっ。
ヤバい。
桜子さんの裸が美し過ぎる。
しなやかな背中からお尻にかけてのカーブ。
プリンとしたお尻に目が釘付けになる。
最高のお尻に出会ってしまった。
俺はお尻よりおっぱい派だと思っていたが。
これは…
「陽太様は制服に着替えないのでしょうか?いえ、学園のではなくて…その…エステの制服に…」
そうですか、お望みとあらば。
俺の本気を見せてやる!
マッサージだよ、マッサージ。
お尻ばかり撫でているのは仕方がないだろ。
ヤバい、興奮する。
「んっ♡ん♡」
と圧し殺した声が更に興奮させる。
無理矢理、感情をも殺したような声、清楚な声を壊してみたい。
仰向けにして敏感な所もマッサージした。
「ん♡あっ♡あん♡」
だんだんと声が漏れ出して…
「ん゛~♡ぃくぅ♡」
やり切った。
俺はやったぞ。
俺の陽太は凄い事になってるけど。
やり切った。
「陽太様♡裏オプションもお願いいたします」
は?
いやいやダメだろ。
これは知ってる。異世界転生物の定番だ。
「桜子さん、もしかして最後までシたら責任取らされたりする?」
「あらいやですわ。それを説明するのを忘れていましたわ。結婚を迫ったりしませんよ。あと殿方にこんな事をお願いするのは心苦しいのですが、果てる時は外に出して頂けないでしょうか」
はい?外出し?
「実は…」
なんだって!
「バカか!桜子さんはバカなのか!」




