片想いハート♡
クレープ屋さんのお姉さんと楽しげに話をして写真を撮っている俺を見て、並んでいるお客さんの目が変わったような気がした。
お姉さんには悪いが広告塔になってもらおう。
こんなツーショット写真が撮れますよって。
「そろそろツーショット写真撮りますか?サービスしますよ?」
「もしかして抱き付いていいとか?…だよね~、ダメだよね~。今度プライベートならいいよね?」
「聞かないでください…」
「そっかそっか~、陽太さんクレープ屋の制服好きだもんね~♡この前なんて制服のまま…」
ふぐっ!
このお姉さんは客商売だからかノリが軽い。明るく気さくな所に好感が持てるんだ。
だけど性癖まで暴露しないで欲しい。
男なら分かるだろ?
クレープ屋さんの可愛い制服は誰だって好きだよな?
赤とピンクのカラフルな制服。
そこに同じ柄のサンバイザー♡は反則だと思う。可愛過ぎてツラい。
そりゃお姉さんを脱がさないで制服のまま…って言っている場合か!
「ごめん、ごめんって~♡他のお客さんも居るもんね~、隣の男性様みたいに離れて撮るよ」
「いや、並んで撮りましょ。そのくらいサービスしますよ」
クラスメイトや警備員から過度な接触を禁止させられている。私達ならともかく他の女性は性欲を抑えられなくなると言われた。
並んで撮るくらいならいいだろう。
「はい!チーズ!」
写真部の子が撮ってくれるが、味気ない。
そうだ!
「お姉さん、お姉さん!手をCの形にしてください!そうそう、それを俺の手とくっ付けるの♡」
「「「きゃあ♡可愛い♡」」」
写真部も並んでいるお客さんも胸を押さえてキュン死している。
「よ、陽太さん♡これ凄過ぎるよ~♡胸がキュンキュンする。こんなの初めて見たよ~!そうだ!このポーズの名前は?名前を付けようよ」
名前か、ハートポーズ?片想いハート?
それより初めて見たの?
「お姉さんが決めちゃうね~♡【ようたハート】なんてどうかな?」
ぶはっ!
それは無いだろ!
俺の考えたポーズでもないし。
「「「私も【ようたハート】したい♡」」」
ああ、これもう変えられないヤツだ。
「今度はウチの【ようたスペシャル】手に持って【ようたハート】の写真撮ってくれる?絶対バズるよ~!」
ようたスペシャル、お姉さんのクレープ屋さんで俺が頼んだトッピング全部乗せクレープの事だ。
いつの間にかそんな名前で呼ばれている。
イソスタを見て来たお客さんは皆それを頼むらしい。
「ウチのお客さんも【ようたハート】で写真撮りたいだろうけど、陽太さんにそんな事頼めないしな~。チラっ、チラっ」
う~ん。
「なら、等身大パネルとか作ってみるか。ねぇ、写真部って写真の引き延ばしみたいな事って出来るのかな?」
「ちょっとそれは業者に…」
「「「ヤるわ!」」」
「部長!?それに皆まで!?」
「ヤるわよ!明日の写真部はパネルとのツーショット撮影会よ!陽太様、パネルの作成はお任せください。そして明日のパネル撮影会の許可もください。どうかお願いします」
「ええ、いいですよ。こちらこそお願いします」
そのパネルはどう見ても片想いハートなんだろうな。
「【ようたスペシャル】頼んだ人だけがパネルと撮れるようにしてみる?これはエグイわ~」
「お姉さん、エグイと言えば俺のクラスの出し物もエグイらしいですよ。ドリンク頼むと俺のブロマイド写真が一枚付いてきて、当たりはパンツ見えたり乳首見えたり…」
「陽太さんのクラスはどこ!エグイわ~!ウチとコラボ出来ないか奥さま方に相談しないとだわ!じゃあまたね♡陽太さん」
その後ほとんどのお客さんが俺との写真を希望してくれた。
そんなに良いのかね?ようたハート。
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