僕の命令「僕と全裸で抱きしめ合おう」
「おはよう悠斗」
「おはよう陽太、見たよ!警護官さんと車の前でキスしてたでしょ!」
見られてたか。
最近は『行ってきます』のキスの他にも『おはよう』『おやすみ』食事の前にも『いただきます』のキスと、事あるごとにキスをしている。
もちろんそれで止められる訳も無く、搾精の練習と称してお互いを手で慰めている。
毎日が搾精日♪(俺も~♪)と歌い出してしまうくらいにエロい事をしている。
ただ最後まではしていない。
特別警護官の掟みたいな物があるようだ。
機会があれば家での様子を話そうと思う。
まあそんな事より悠斗の事だ。
「そんな事より、さっそくだけどスマホを出して。はい、これで催眠アプリが入ったから後は起動して画面を見せると催眠に掛かるから」
「うん、そうだ陽太、ライーン交換しようよ。後で話があるんだよね」
おい、連絡先を簡単に交換しようよとか言えるなんて凄いな。
女の子が少し怖いだけの陽キャじゃないか。
連絡先を交換して俺達は一年B組に向かった。
「悠斗、大丈夫か?一緒にに居ようか?」
「うん、そうしてもらえると助かるよ。また囲まれるかと思うと少し怖いから。入り口の所に居てくれる?」
まあ今日のところは囲まれる事は無いんだけどな。
B組の教室に入るとシーンと静かになり、視線が悠斗に集中する。
俺は入り口で腕を組み悠斗を見守る。
入り口腕組みオタクだ。
「えと、このスマホを見て。え?もう催眠掛かったの?陽太、どうすればいいの?」
おいおい、早すぎだろ。
それにしても脱力して頭ガクってなるの、どう見ても嘘臭いな。
こんなのに騙されるヤツいるのか?って話だ。
いたわ…俺だよ!
「あぁ、悠斗が何を命令したいかにもよるけど、顔を上げてもらうとか、立ち上がらせるとかしてみたら?」
「もう命令出来るんだね。じゃあ、みんな立ち上がって」
ガタッ、ガタッと立ち上がる女子。
さあ、悠斗はどんな命令をするんだ?
「僕の命令は『僕と全裸で抱きしめ合う』だ!」
は?
はぁ?
ええぇぇ~!
「ちょっと悠斗!何を言ってるんだ!?最初から飛ばし過ぎだろ!」
「そうかな?でも身長差だったり抱き心地だったり、おっぱいの大きさとかは見て抱き合わないと分からないでしょ?」
そうかな?じゃないだろ!
全裸とかどうかしてるよ!
「僕は特別警護官をてきとうに選んで後悔しているの。婚約者だったり搾精の手伝いしてくれる子はちゃんと選びたいの。よいしょっと」
バカバカ!
本当にどうかしてるよ!
よいしょじゃないだろ!
「ちょっと悠斗!待て待て!何を全裸になってんだ!それにもうギンギンじゃねえか!お前そんな顔して凄いのぶら下げてんだな!いいから服を着ろって!ほら足上げてパンツ履いて」
「なんでよ、こんな命令普通でしょ。ちょっと手を引っ張らないでよ、どこ行くの?」
「自習室だよ!一旦話し合おうか。B組の皆、俺が手を叩くと催眠は解けます。三、二、一、パン♪」
悠斗の手を取り教室を出ると廊下にA組の皆が居た。
催眠を覗いていたのだろう。
「栞、B組の子を頼む!」
これでB組の子は大丈夫だろう。
最初の命令が強烈過ぎで嫌にならなければ良いけど。
それより悠斗にはちゃんと言わないと。
「陽太、他の生徒に見られてるよ。性欲様×童顔様って何?てぇてぇとか言われてるけど?」
いいから!
もう最悪だ。
◇◇◇◇
「「「ちょっと栞ちゃん!」」」
「はい」
「どういう事?裸で抱きしめ合うなんて一生に一度の思い出になるわ!何で陽太様が止めるのよ!陽太様は私達の味方なのよね!」
「はい、彼は少し変わっていて私たち女子をまるで男の子のように扱う所があるのよ。たぶん教室で全裸にするのに抵抗があったのよ」
「はぁ?」
「普通女性が男性にするような頭撫でたり、髪を梳かしたり。怜奈の髪をセットしたり」
「えっ、怜奈ちゃんの可愛い髪型って陽太様がやってるの?凄っ!なにそれ」
「それに彼の最初の命令なんて私のメガネ外す事よ?」
「はい?」
「それを色々ありながらキス出来るまで育ててきたの。最初から裸を要求する悠斗様が羨ましいわ。まっ、明日から陽太君には手を出さないで見守る様に言っておくから。それよりあなた達はエッチな下着買っておいた方がいいわよ。陽太君は喜んで見てくれるわよ。悠斗様は知らないけど」
「そうなの!?さすが栞ちゃん!頼りになる!(栞ちゃんはノーブラだよね?)それにしても悠斗様のアレ…」
「「「おっきかった~♡」」」
「「「陽太君の方が大きいもん♡」」」
「陽太様と他にどんな事してるの?」
「」
「」
「」
「「「きゃぁ♡」」」




