隣の男子に催眠アプリを渡す
「隣の男子に聞こえてた?」
「はい、やはり声が漏れていたようでして、何をしているのか気になっている様子でした。ただ怒っている感じではないですね。興味津々といったところですか」
ほっ、それはよかった。こういうのに嫌悪感を抱く男子が多いみたいだし怒鳴り込まれてもおかしくなかった。
「じゃあ会ってみようかな?」
「ではお連れします。少々お待ちください」
この時間に少し情報収集しとこう。
「ねぇ亜実、隣の男子ってB組の男子だよね?見たことある?どんな感じ?」
「そうだな、良い意味で普通の男子だな。少しポッチャリしていて性格は内気かな。モテそうかって?そうだな、陽太が居なければウチの女子連中もアタックしていそうだな。それよりも陽太はカッコいい♡痩せているのに筋肉あるしそれに今日なんて…」
俺の事はいいから。
コンコン♪
「陽太様、お連れしました。では失礼します」
あぁ、帰るのね。司会的な事してくれてもいいんだけど。
「はじめまして、A組の陽太です。陽太って呼んでくれ」
初対面の人と話すのは苦手だ。
だが亜実の前でカッコ悪い所を見せたく無いという思いから、なんとか頑張る。
このセリフだって男子用に何回も練習したやつだ。
「は、はじめまして、B組の悠斗です。僕も悠斗って呼んでくれると嬉しい」
何だよその照れ笑い!
口元に手を当てて可愛いかよ!
確かに少しポッチャリしていて背は低め。
だが痩せればジャ○ーズでもやって行けそうな童顔で優しそうな雰囲気のある子だ。
「それで陽太に聞きたいの!どうすれば女の子を自習室に呼んでエッチ出来るの?僕もしたい!お金は貰ってるの?それとも払ってるの?あと…」
ちょっと待てぃ!
どこが内気な性格だよ!
めっちゃ喋るじゃん!喋ってくれるのは助かるけども。
「ちょっと悠斗は落ち着いて、もしかして悠斗は性欲男子なのか?なら、何で自習室に居るんだ?教室に行けば女の子たくさん居るだろ」
「そうだよね、最初から話すよ。まずは」
悠斗は精通が遅かったようだ。
そして精通が来る前に『特別』警護官を選ぶ事になってしまった。
射精なんてとても苦しものだと教わってきたので『特別』警護官をベテランの上手な人というだけで顔も身体も見ずに選んでしまった。
いざ精通が来ると苦しみなんて無かった。むしろ逆で毎日スルくらいハマッた。
だが搾精日が苦しかった。
『特別』な事をして貰っていても警護官はベテラン。もうお母さんと言えるレベルらしい。
「それはキツイか」
なので学園に入学した初日は教室に行ったようだ。
婚約者を探しに、もしくは搾精のお手伝いをしてくれる子を探しに。
そして悠斗からクラスメイトに話し掛けた結果、全員に囲まれる事態になってしまい、怖くなって警備員を呼んだそうだ。
それ以来教室には行っていないようだ。
「悠斗は性欲アリ女子怖いって事か。俺は性欲アリ女子大好きだ。普通の男子がナシナシのブラックコーヒーみたいなもん。アリナシな悠斗は甘くないカフェラテか」
俺は甘々なカフェラテだろうか。
「陽太が何を言ってるのか分からないよ。陽太はどうやって女の子と仲良くなったの?」
「俺か?俺は催眠アプリで…いや、なんでもない」
おっと、マズイ。
「催眠アプリ!?何それ!今見れる?見せてよ!使ってみて!」
ちょっとグイグイ来すぎだって!
催眠アプリは駄目だろ。
いや、まてよ?
これアリなんじゃね?
悠斗がB組女子に催眠を掛けて仲良くなる。
そしてB組の子のスカートも短くなったりインナー脱いだりしたら俺も見れるWin-Winだろ!
悠斗がどんなエッチな催眠を掛けるのか普通に気になってきた。
俺がB組の子に催眠なんて掛けられないのだから。(物理的に)
「分かったよ。この子は同じクラスの亜実、じゃあ亜実これを見てくれるか?」
ホワン♪ホワン♪
「え?えぇ~!本当に掛けられるの!掛かってる証拠は?証明してみせてよ!」
「じゃあ亜実、コーヒー淹れてくれるか。俺はアリアリで悠斗にはアリナシで。分かる?ミルクと砂糖だよ」
えぇ?
コーヒーかよ?
そんなの掛かってる証明になる?
そんな視線を送る悠斗に本気を見せてあげようではないか!
「亜実、その太ももで俺の顔を挟んでくれ!うはっ、これはたまらん♡ヤバ過ぎだろ♡どうだ?悠斗、こんなの掛かって無かったら頼めないだろ!」
「う、うん。陽太のフェチが分かったよ…」
なんかドン引きされてるな。
悠斗はおっぱいが好きなんだな。さっきからチラチラ亜実の胸見てるの気付いてるぞ。
でも亜実はおっぱいよりよりも太ももだ!
異論は認めない!
「では明日の朝、ここで催眠アプリを渡そう」
「え?今じゃないの?」
無理無理、特別警護官なんかに使われたら一発でバレる。
それに根回しが必要なアプリなの!
「特別なアプリなんだ、簡単には渡せないんだ。明日まで待って欲しい」
「そうだよね、ありがと。コーヒーご馳走さまでした。じゃあね。また明日」
くっ、心が…その笑顔は心が痛い。
「陽太、そんな約束してどうするつもりだ?考えナシなら膝枕して考えたらどうだ?」
うひょ~!
太もも最高~!
俺は考えるのを放棄した。だって太ももしか考えられないだろ!こんなの!




