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capsule  作者: 天川 榎
後編 
27/28

第弐拾伍話 或る戦い


ある人は言った。戦争するのは良くないことだと。

またある人は言った。戦争は然るべき手段であると。

闘うことが必然だとすれは、果たして無関係と言える人間は存在するのだろうか?

もし無関係だと言い切れる者がいたとしたら、こう諭す者も出るだろう。

「あなたは生かされてきた」


第弐拾伍話 或る戦い



気味が悪い進展状況だ。

そこそこ相手の手の内が見えてきた途端にこれだ。有効な手段といえば、capsule。

だが、敵の数が多すぎる。こっちは数機しかない。向こうは数千数万で押し寄せる。圧倒的に戦力が不足している。戦車や長距離砲などを配備し、防衛戦で、ヱイラ国からの支援を待つ他無い。

「どこまで持つか」

アルは嘆息し、徐にポケットから煙草とライターを取出し、喫いだす。

「臭い」

と、イオが文句。

「すまん」

そのまま、アルは部屋から出て行ってしまった。

次の行動を、アル、イオがそれぞれ画策する。

アルは、何とかイオから頂いた有り難い提携関係を持続し、最終的にはヱイラ国全体から支援を賜りたい。一方イオは、既に個人的欲求であるスミの保護には成功している。後は国からの命令に従いつつ、スミを無事に生還させるだけだ。

では、ヱイラ国の動向はというと……


研究所に向けて兵器を運搬していることをキャッチしたヱイラ国。

「首相、ネオジオ国がどうやら軍事演習を……」

補佐官が首相に眉間に皺を寄せながらペコペコお辞儀をする。手はなぜか拱いてる。

「なにぃ?事前連絡も無しにか?……万が一に備え、国境付近にスフィアと兵器等を配備しろ」

首相がいそいそと命令書を発行している。その時。

「もし、もしもし。こちらイオ一等兵」

「なんだ?」

「現在、研究所占拠に成功。その後、ネオジオ国は研究所抹消のため、兵を配備。このままではヱイラ国まで被害が及ぶ可能性があります」

「分かった。兵を至急研究所へ派遣する。ヱイラ国軍緊急戦闘配備!今正に奴らと雌雄を決する時だ!!!!!」

これを以て、分裂戦争以来の全面対決が決まった。


所戻って研究所。

約束を取り付けたイオは微笑みを浮かべ、勝利を確信した。実を言うと、イオはこの島におけるすべてのロボット製作者である、サヤカについて知っていたからだ。一応軍事機密なので、実の息子であるスミには真実は言えなかったが、ある特殊なコードを使うことにより、更なる強さを引き出すことが可能になるのである。

コード「ゼムテックス」。

金属軟化をある程度制御した上で、capsuleをスフィアに定着させ、両ロボットの良さを伸ばす超合金合体型決戦兵器と化す。

操縦者は1人から2人に増える。共同で作戦を練れたり、片方が負傷したなどの不測の事態を未然に防ぐことが出来る。

丁度良い。試してみよう。

「スミ、ちょっといいかな?」

イオはcapsule格納庫へと手招きすると、飼い馴らされた犬のように、その呼びかけに応えた。


<続く>
































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