24.標的
「覚悟はいいか?ルナリ」
「はい」
シンシーとルナリ、2人の主従は大きな城塞都市を遠目に睨み、決心を確かめる。
「今回は私も全力で手を貸す……あの街は王都と並ぶほど教会の力が強いと聞く。君の気が済むまで付き合うよ、ルナリ」
「……ありがとうございます」
周辺の村を狩り尽くし、初めてとなる重要都市の襲撃計画。シンシーまでもが多大なリスクを負うことになるが、無論覚悟の上だ。
(それに、あの炎使い。アレがもてはやされる程度のレベルなら、こちらに失敗する要素はない)
シンシーから見て、あのガイナスはそこそこ程度。自分の敵ではないと断言し、それが強力な勇者として扱われる人類勢力も大したことはないと考えていた。あのテルラという少女が人類に与する勢力ではない、という前提ありきだが。
襲撃計画とはいえ、シンシーは殺戮など望んでいない。ルナリが望むなら、と覚悟を決めていたが、彼女の標的はあくまで教会だ。そこで、シンシーは無用な殺生と面倒を避ける為の仕掛けを用意した。
「『廻典ノトリアス』」
『廻典ノトリアス』の能力で、都市の四隅にポイントを設置、都市全圏を覆うように催眠の魔法を放ち続け、一般人に異常事態であることを悟らせないようにする。催眠、といっても効果は中級程度。少し心得のある者は簡単に無効化できるだろう。つまり、残るのは勇者に騎士団、一部の冒険者、そして多少の魔法の習得が義務付けられている教会関係者。残った正気の人間を狩り尽くす。
更に、ポイントをもう二つ使い、街の出入りを禁ずる魔法壁を作る。そうして、王都や他の都市から援軍が来る前に終わらせる。こんな作戦を立てている。
シンシーが戦闘に使える『廻典ノトリアス』のポイントは四つになってしまうが、並の勇者が相手なら問題はないと彼女は判断した。
「……召喚、ゴーレム」
シンシーがそう呟くと、背後に百余のゴーレムが現れる。ロクな配下も持っていなければ魔獣の類も飼っていないシンシーの戦力といえばこのくらいだ。とは言っても、勇者でないものが相手なら数人がかりでないと対処できない程の実力は持っている。
「すごいですね……」
「こんなもの、強敵相手には……例えばルナリなら、足止めにもならないさ……ま、これらは特別な仕掛けをつけておいたから、心強くはある」
戦力は揃った。準備も須く整っている。開戦の時が来た。
「魔天廻法」
全てはルナリに対する仕打ちに報いる為に。
やぁ。作者の鐘楼だ。
もしかしたら昨日、この作品の更新をチェックしようとしてページを再読み込みした人がいるかもしれない。
いや、いなかったら泣きたいけども。賛否も評価も来ないので作者は本当に読者がいるのか疑っている。ほんとにいなかったらいたいやつじゃんぼく。
ともかく、昨日更新が無かったのはアレだ。ストックが無くなったというかその……うん……
あのぅ……そのぅ……まぁ?どこにも毎日投稿とは書いてないわけだし?
もしかしたらこれから忙しくなって更新が減るかもしれないんですけども……
ゆるして
あっ評価や感想で存在をアピールしてくれるとモチベ上がります。たぶん。