入学式の朝
モテたい。
俺は常にそう願っている。
俺の勘だが、恐らく多くの人がそう願っているのではないだろうか?
そして俺の話を聞いて欲しい。
我が国、日本が誇る文化の一つにライトノベルという物が存在する。
今からそのライトノベルの話をしよう、しかしあくまでも俺の考えであり、全てのライトノベルに共通はしない事を忘れてはいけない。
ライトノベルは主人公の男が可愛い女の子達と学園生活を過ごしたり、異世界で魔法を使って敵を倒すといった所謂ハーレム系が多い。
そして俺はライトノベルが好きだ、男には当然興味はないが登場する女の子が全員可愛いからだ。
だが俺は気がついた、気がついてしまった。
ライトノベルの主人公は異性から超高確率でモテているが、俺はモテているどころか異性から話しかけられることも少ない。
ならば逆転の発想だ。
ライトノベルの主人公がモテるのであれば、俺もライトノベルの主人公の真似をすればモテるのではないか?
そこで、まずはライトノベルの主人公の特徴や行動をまとめていこうと思う。
『優れていない体格』
ライトノベルの主人公の体格は貧相である場合が多いが何故か女の子に好かれている。
実に羨ましい。
『草食系だが、いざという時に頼りになる』
ライトノベルの主人公は普段は頼りないが敵に襲われた時などは女の子を守るという傾向が強い。
実に面倒だ。
『入学式の朝にハーレムが始まる』
学園系のライトノベルの主人公は第一話の入学式の朝に何かしらのトラブルがあって女の子の着替えシーンを見たりすることが多い。
実に妬ましい。
『何かしらの暗い過去や秘密がある』
ライトノベルの主人公は暗い過去や秘密がある場合が多い。
例えば大切な人が殺されたり、戦えない理由があるとかだ。
実に主人公らしい。
簡単にまとめるとこれぐらいだろう。
この四つを真似すれば俺は女の子囲まれて学園生活を送ることが出来る訳だ。
一つ目の『優れていない体格』
これは問題は無いな。
俺の体は最低限の筋肉しかないからな。
二つ目の『草食系だが、いざというときに頼りになる』
これは分からないな、しかし女の子のためなら俺はどんなことでも出来る気がする。
つまりこれも問題は無い。
三つ目の『入学式の朝にハーレムが始まる』
これは運次第だな。
ちなみに今が朝四時だから後三時間ほどで入学式だ。
四つ目の『何かしらの暗い過去や秘密がある』
これも完全にクリアだ。
朝から嫌な思いをしたくないので深く考えないが、俺にも暗い過去や秘密がある、あってしまう。
三つ目以外は問題ない、あとは三時間後にハーレムが始まる事を祈るだけだ。
「ふわぁぁ…………ねみぃ」
昨日の夜の八時からこの事を考えていたからだろう、安心したと同時に強烈な睡魔が襲ってきた。
入学式まで残り三時間、二時間程寝ても問題は無いだろう。
…別にこれは今から寝ることで入学式に遅刻するなどというフラグではないことを断言しておく。