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ジェンダーを語るヒロインはたぶんモテない

作者: 榛李梓

女子大生二人の会話。

「男女って、平等であるべきだよね」


「どした? 女性の地位向上がー、とかそういう話?」


「そういうんじゃなくて、この前ちょっとした修羅場があって」


「なにそれ面白そう」


「面白くないよ。なんか、サークルの男の先輩で沖さんっていう人がいるんだけど、その人の彼女さんと男友達? よく分かんない男の人に呼び出されてさ、『人の彼氏に色目使うな』みたいなこと言われたの」


「おお、本当にそんなシチュエーションあるんだね。その先輩とは仲いいの?」


「沖さんとはサークルの集まりとかで話したりはするけど、別にそこまで仲いいわけじゃないし、ましてや好きとかそんなんでもないから」


「ふーん、でも麻衣って可愛いから先輩の方は麻衣に気があったんじゃないの」


「うーん、まあそれでね、色目使ったとか使ってないとか言い合いになって、彼女さんの男友達に突き飛ばされて転んじゃって、木の枝でほっぺ引っ掻いちゃったんだけど」


「あ、本当だ、ちょっと赤いね」


「だいぶ薄くなったよ。それで、私が転んだら、どっかで見てたみたいなタイミングで沖さんが現れてね、『女の子に乱暴するなんて最低だな! 顔に傷でも残ったらどうするんだ! 女の子なんだぞ!』って」


「うわー、少女漫画みたい」


「だから私、沖さんに『女の子だから乱暴しちゃいけないとかおかしくありませんか? 男だろうが女だろうが、人に暴力振るうなんて許されませんよ。それにその言い方だと女性の容姿を重視しているような感じがしますけど』って言ったの。私間違ってる?」


「え? マジで言ったの? っていうかそれで男女平等の話か。いやー、確かに正論だけどさ、言わない方がいいよね」


「なんで?」


「その先輩だってかっこつけたかったわけじゃん? そういう時は『きゃーっ、かっこいい!』って言ってあげるのが優しさってもんよ」


「でも沖さんのこと好きなわけじゃないし」


「どう思ってるかは別にして、相手の欲しがってる言葉をあげるのも一つの優しさなんだよ。『昨日二時間しか寝てねーわー。つれーわー』って言ってる人がいたらうざいと思っても『大丈夫? 少し休んだら?』って言ってあげるみたいなね。それにさ、もしかしたら男が殴られてた場合でも止めに入ってたかもしれないよ」


「そうかもしれないけど、『女の子』って言葉を持ち出されるとなんか気になっちゃうじゃん」


「うーん、そこはなんていうか、定型文っていうか、様式美っていうか。他に相応しいセリフも思いつかなくない?」


「そうかなあ」


「っていうか、その後どうなったの? 颯爽と登場した先輩に文句言ったらみんなの反応は?」


「三人とも私のこと『なんだコイツ』みたいな目で見てたよ。で、なんかよく分かんないまま解散した。もちろん沖さんとはその後なんともなってない」


「あっは、絶対『めんどくさい女』って思われてるね。だから麻衣は可愛いのにモテないんだよ。あはは」


「モテなくてもいいけどさ。……もー、笑いすぎ」

 男性の性的欲求は視覚情報によって喚起されるというような話も聞きます。そういう意味では、男性が女性の容姿を重視するのはジェンダーではなくセックスの問題なのかもしれません。

 ジェンダーとセックスの線引きはとても難しく、私のような素人が語ってはいけないような気がしますが、興味のある分野です。

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― 新着の感想 ―
[一言] 会話オンリーでしたか。相手の方は女性なのかなぁ、文面だけではちょっと判断できませんでした。まぁ、前書きに書いてはありましたけどね。言葉だけでのキャラ分けは難しいです。 一般の物語としては、騒…
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