美少年な私と美少女な友達
慶一「ここが、俺たちの部屋っ!」
「おぉ…。」
今、けいちゃんに男子寮を案内してもらっているところです
男子寮の部屋も女子寮の部屋とあまり変わらないなぁという感想。
2人の人間が住める空間、両脇にはベットが1つずつ
慶一「こっちおまえのベッドな、こっち俺の!」
「うん、わかった。」
慶一「風呂は部屋にもあるけど…大浴場もあるぞ!あと、トイレはいろんなとこにある」
「なんか旅館…じゃないか、ホテルっぽいね。」
慶一「んー…。まぁ、そういうもんなんじゃねーの?」
「そっかぁ…。」
寮は初めてだから一般的な寮がわからない。
なので、このホテルっぽい場所が一般的なのか、そうでないのかってのはわからない。
ちなみに、ホテルっぽいというのは、なんというか、こう、高級感があるというか…
うん、まぁ、きっとお金かかってるんだろうな…。
そんな事を考えながら、一生懸命話しているけいちゃんの横を歩いていた。
慶一「おい!聞いてんのか!空!」
「ん、ぁあ…。聞いてるよー」
ごめんねけいちゃん、全然聞いてなかった。
まぁ、なんとなくどこに何があるのかは分かったから大丈夫…!
そんな感じで騒がしいけいちゃんの男子寮案内は終わった。
グラウンドにいる秀多さん達の場所へ戻った。
慶一「しゅーさん!!終わりました!!」
秀多「あ、慶一、宮崎君、おかえり。宮崎君、どう?わかった?」
あ、"宮崎さん"じゃなくなってる。
"宮崎君"かぁ…。中学の時もそう呼ばれてたなぁ。
「あ、えーっと、はい。どこに何があるかぐらいは何となく」
秀多「それならOK。じゃあ、みんな集合して!」
秀多さんの声を聞き、ぞろぞろと男子生徒達が集まり、整列し始めた。
なんとなく私もその中に入る。
秀多「はい。これで案内は終わり。細かいことはまぁ、後からわかるから、あまり心配しなくていいよ。では、解散」
『きをつけ、れい』
一年の代表らしき男子生徒が言い、それに続いて
『『『ありがとうございました』』』
と、全員で言った。
男子寮か…。まさかこうなるとは…。男子寮が嫌ってわけじゃないけど、やっぱ女子寮入りたかったなぁ…。
そんなことを考えながら両親が待つ場所へ歩いていると
??「あ、あのっ!」
後ろから声をかけられた。
なんか、可愛い声だなぁ…。と思いながら後ろを振り向くとそこに居たのは
??「あ、あの…」
「…!」
160㎝前後の身長、華奢で小柄な体型、髪はショートカット
小さい顔に大きな瞳、ピンク色で形のいい唇、通った小さな鼻
美少女だ…。
まさに私が望んだ容姿。
でも、なぜだろう…。
私を見つめる美少女は、なぜか男子用の制服を着ている。
??「あのっ!聞いてますかっ?」
「へ?あっすいません!…えっと、君は…?」
??「あっ、僕、石神優です、一年です。」
「え?僕??え?女の子じゃ…?」
優「あっえと、僕っ、女の子じゃないですっ!」
女の子、じゃない…?
この容姿で…?
いや、私が言えた事じゃない。
にしても、私と似た状況におかれている人か…。こんな人初めてあった…。
「あっ!ごめんなさい!!」
優「いえ…。慣れてますから。宮崎、空さんですよね…?」
「は、はい。そうですが…。」
優「あ、あってた…。突然なんですが、その、僕と友達になってくれませんか…」
「え、え?なんでですか…?」
いや、多分同じ匂いがするからとかだと思うけど…
優「急でごめんなさい!えと、僕、男なのにこんな顔で…。ずっと、女の子みたいに扱われて、ちょっと嫌で…。」
「あ…!私もあります。わかります、嫌ですよねぇ…!」
優「やっぱり分かってくれるんですね…!今日、宮崎さんを見て、ビックリしたんです…。僕とソックリな生き方…というか…えぇと。」
こんな人がいるなんて!なんか、仲間を見つけたみたいでなんか嬉しい…。
優「と、とにかく!宮崎さんと友達になりたいと思ったんです…!ダメですか?」
「ふふっ、いいですよ。よろしく。なんて呼べばいい?」
優「本当?!やったっ…!よろしくっ!優って呼んでください!」
「じゃ、私のことは空でいいよ。」
新しくできた美少女な男友達。
男子寮でも楽しくやっていけそうだなぁ…
なんかワクワクしてきた!
『優〜!』
優「あっ、母さんだ。じゃ、また明日、空!」
「うん、また明日ね、優」
優と別れて私は校門の方へ歩き出した。
多分お母さん達待ってるよね…。早く行かないと。
家に帰ったらみんなに今日あったことを話そう。
生徒会長が男嫌いで女子寮から追い出されたこと
男子寮に入ることになったこと
けいちゃんと優と友達になったこと
男子寮でも楽しくやっていけそうだということ
短いのに濃い半日だったなぁ…。
「お母さん、お父さん」
母「空!遅かったわねぇ」
「ごめん、ちょっといろいろあって!家帰ったら今日のこと話すね」
そう言い車の後部座席に座る
父「帰るか」
「うん。なんか疲れちゃった…。寝て帰ろうかな…」
母「ふふっ、そんなに寮が広かったの?お疲れ様。おやすみ」
「うん…おやすみ…」
座席を斜めに倒して眠る体制になると、少しして私は眠りに落ちた。