美少年な私と入学式。
8時40分
私とお父さんとお母さんは高校に到着した。
「ここかぁ…!」
なんか緊張してきた…。友達できるかなぁ…。
もう女の子から告白されたりしないよね…?
私はこの容姿ゆえ、女の子から告白されることが少し、いや結構ある。正直困るのだ。私も女の子だもの。
そんな事を考えていると
『えっ!めっちゃイケメン!!』
『わぁ…目の保養だわ』
『同じクラスだったらいいなぁ…!』
女子たちが私の方を見てそんな事を言ってる。褒められてるんだろうけど、やっぱり複雑だなぁ…。
そんな女子たちに対して、男子は
『なんだよあのイケメン…』
『…チッ』
『うわ、羨ましい…女子の視線独り占めじゃん』
ゴメンナサイ。私ね、女なのです。
「あぁ…すごく不安になってきちゃったよ…」
母「ふふっ、そんな時はね、手のひらに人って3回書いてそれを飲めばいいのよっ」
「それは緊張した時でしょ…」
母「似たようなものじゃないの、気休めくらいにはなるかもよ?」
全くこの人はのんきだなぁ…。
まぁ、お母さんのそんなところに助けられる事もあるんだけどね
校舎に入り新入生は入学式の説明を受ける。正直全然頭に入ってこない。とりあえず周りの雰囲気で動こう。
そして入学式直前。
あぁ、やばい。なんか無駄に緊張する…。
人、人、人、、、
うん、まぁ、大丈夫…!
大きな拍手に迎えられ、私を含めた新入生達が式場に入る。それぞれの席に座るとたくさんの人がいるはずの会場がすごく静かになる。学校の式特有のあれだ。
開会宣言から始まり、淡々と式は進んでいく。そういえば、新入生の名前を1人1人呼んでいくところがあるって言ってたっけ…。
教師「新入生、名前読み上げ。呼ばれた生徒は返事をしてください。」
あ、これだ。
私は3組だから、結構遅めかな?なんて考えながらソワソワしながら待っていたら、順番は案外早く回ってきた。
教師「宮崎 空さん」
「っ、はい!」
よし、いい返事できた!
私、高校生になります。