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少年や少女、それに、神様の描く物語  作者: コリー
当日のこと 【《修正中》Ⅰ~Ⅷ】
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当日のこと 【Ⅱ】 《修正後》

 名前は犬坂風季いぬさか ふき、今日から中学生か~という感じに、色々と新鮮しんせんかつ複雑な心情で後先不安な十三歳。


 そんな俺には昔から周りとは違う何かがあった。


 それは、神様や幽霊などと言われている者が見える。そして神様や幽霊などを目で見て、手で触れて、口で話すことが出来たりする不思議な能力。


 そして、他人と触れ合う事で、その他人ともこの不思議な能力を共有させてしまう不思議な体質がある。

 と、いっても、いきなり能力がどうのこうのと言われてもイマイチ現実味が無いだろう。例えるのなら、【霊能力者】と言われる者に近いのかな。


 でも、この不思議な能力の方は自分にだけ見えて、触れる事が出来る、というだけだ、目の前に化け物がいても、天使がいても、神様がいても、死人の魂がそこに居たとしても。


 もうなれた。


 それで俺は済ませられる。


 化け物や天使は見たことが無くても、神様や死人の魂は見たことがある。だって神様は神社に、死人は墓地に居るのだから。


 でも、もしも、神様や幽霊などを見たことが無い人が突然それを目の前にしたらまず、最初にどう思うだろうか?

 たぶんそれが、神様にしろ、霊魂にしろ、激しく驚いて、その場で絶句しながら気が動転してしまうと思う。


 もしその人がその場にいてなおも、平然を保っていられたとしても、その人の記憶にはその時に見てしまった物が災厄の印象として残り続けるだろう。少なくとも、いい思いはしないと思う。


 俺には、俺のこの体の体質には、他人と触れ合うことでその他人にまで一時的に神様や幽霊などを見えるようにしてしまう、そういう体質がある。

 ただ、この体質はなぜか、自分と相手が意識しあって触れ合わないと、神様や幽霊などを、相手にも見えてしまう様にはならない――らしい。


 らしい。と付け足したのは、昔、まだ小さい頃何かにそう教えてもらった記憶だけがあるからだ。そして不思議なことに今でもその時に教えてもらったことだけは、はっきりと覚えている。にもかかわらず、そんな事を俺に言い聞かせた張本人の事は顔どころか男か女か、それにどんな人柄ひとがらをしていたさえも、まるで記憶がそこだけ消えてしまったかのように思い出せない。


 それでも、この条件のおかげで、ある程度自分から人を避ければ、他人をこの体質で無意識の内に傷つけてしまう事はっていると思う。もしも、この体質に今のような条件がなかったとしたら、そうだとしたら商店街で他人とぶつかっただけで、大パニックが起きて、大惨事だいさんじになって……きっと俺は今みたいにちょっぴり変っただけの生活さへ遅れていないと思う。


 この妙な条件は、俺にとっては本当に重要ものなのだ。


 この体質を持っていたとして、喜ぶか、喜ばないかは人それぞれかもしれないけど、俺はこんな力を必要とはしていない。

 だからといって別にこの能力や体質の事を、嫌っていたり、憎んでいたり、恐れていたりと言うわけでもない。

 俺だってこの能力や体質とはもう何年も一緒に生きてきたつもりだ。この能力や体質の事には、ある程度慣れてしまったし、今まででこの能力に助けられた事だって何回かある。


 ただ、その反面窮地はんめん きゅうちに追い込まれた事もしばしば。


 悪霊とか幽霊などが出現する、などと噂されている場所には、噂ではなくて本当にその場所にいることがある――というより、ほぼ八十パーセントはその噂スポットにいる――。だから、俺は昔かそういう幽霊スポットが嫌いで、怖かった。絶対に近寄りたくなかった。

 でも、最近は逆に、俺は見えるから怖くない! というように、新しい解釈の仕方が俺の中に出来上がってきた。

 と、頭では分かってはいても、やはり近寄らない方がいいに決まっている。というより、俺に限っては本当に洒落にならない。


 俺には普通は見えない、見ることの出来ない幽霊や神様などを見て触れる能力がある。でもこれは、逆の発想で考えると……幽霊や神様は俺に触れて見ることが出来る。という事になってしまう。


 幽霊や神様などが俺以外の生物を見ることが出来ない、なんて事はないけれども。触れられるか、触れられないか? という質問に変わったら、その答えは触れられません、だろう。

 普段から幽霊や神様が生物に触れることが出来ていたのなら、それはきっと別の次元の、この世界とはまた違う異次元の世界の設定に決まっている。


 少なくともこの地球という世界には、そんな恐ろしい設定は施されていない。ゴーストからヒューマンへはノータッチだ。


 ……話を戻して。そんな設定がされているこの世界での俺の存在は何なのだろうか? もしかして俺はヒューマンじゃない!? 俺は異次元から来た――いやいや、ありえない。


 とにかく、要するに俺は、幽霊に触れられる。逆に幽霊も俺に触れられる。殴ったら、殴られる。幽霊を殺してしまうなどという事も出来ると思うし、逆に幽霊が俺を殺す事も出来る。


 ……それはかなり危ない事だと思うし、何より俺は非暴力主義者だ。向こうから襲われても、それに反撃を加える事など相手が憎くでもない限りなかなか出来ない。


―登場人物―

 犬坂 風季 (いぬさか ふき)


―以上―

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