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少年や少女、それに、神様の描く物語  作者: コリー
仮見学の一日目 【Ⅰ~Ⅷ】
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仮見学の一日目 【Ⅵ】

 

 短いです、ごめんなさい! 




  野口先輩が少しでも楽になってよかったと思う。そもそも野口先輩が何に悩んでいるのかがイマイチ分からなかったけれども、まぁ、良かったです。


 そもそもいつから、野口先輩の悩み事相談のようなものにつき合わされていたのだろうか? その疑問ぎもんは心のすみっこにとどめて置く事にした。


「こちらか殆ど一方的に喋ってしまったからね、代わりと言っては何なのですが犬坂君がこの学校で気になっている事を何でも聞いてくれてかまわないよ、僕が知っている事なら何でも答えるから。今はまだあまり会話する機会がない先生方に色々と気になる事を聞くよりも、歳の近い先輩に聞いた方が、多少気が楽なんじゃないかな」


 綺麗に初期の状態に戻されたオセロ盤にまた四つ、白と黒のオセロを二つずつ並べていた。もう一戦、そう言われた気がしたので、こちらから先攻で黒オセロを置かせてもらう。それにちゃんと返してくれる野口先輩に少しホッとしながらも、口を開く。


「あぁ、それなら、いくつかお願いします」


 せっかくの好意なので、素直に甘えさせていただく。


 パンフレットの内容にはあまり触れられていないもの、でも、ちょっと気になる。そういう所をいくつか聞かせていただくことにした。


「その……、道中色々とありまして、なんだかんだで、オセロ部が第一回見学場所だったりします。そんなに時間を掛けて足を進めているのなら次の目的地も決まっている――そんな事もなく、いまだに次の目標地が決まっていない後先不安な状況なのです。それで、もしよければこの中等部内のこれが定番だ! といった部活をいくつか紹介してくれますか?」


 どこの部活がどのぐらい盛り上がっているのか、そんな事も全くもって知らない今、まずそこから聞くことに。


 先に人気の高い部活を知った上で、次は何処に行こうか? と悩んだ方が、適当に行ってみたい部活を皆で悩みながらウダウダするよりも明らかに効率がいい気がする。人気な部活を省いて考えれば、それはそれで選択肢が狭まるし、他にも、とにかく人気な部活へ足を進めながら、次はどうしようか? と考えるのもありだと思う。

 また廊下でグダグダとたまり続けるのだけは本当にごめんだからな。


 それにしても、このパンフレットは何でこう、使いづらいのだろうか? 部活の説明はあっても、その部活の入部数とか、そういった部活の活気を感じさせるものが全く書いていない。せめて人数表を、大、中、小。そんな一言でいいから書き表してくれたのなら、何処が人気で何処が人気ではないのか、それくらいは分かっただろうに……。

 

 ……まぁね、そこまで親切にパンフレットに書く必要があるか? ないか? と聞かれれば、ないと思う。こんな事で公議とかしたら絶対に、『何か気になる点があったのなら、その場で先生方に聞けばすむことだと思います』という一言ですべて治められてしまうだろう。


「犬坂君達はここが最初の見学場所だったんだね。へぇ、うん。そうだね、じゃまず――」


 野口先輩が相変わらずの物静かな笑顔でテキパキと話してくれた。



―登場人物―


 犬坂 風季 (いぬさか ふき)

 野口 勝 (のぐち しょう)

―以上―


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