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少年や少女、それに、神様の描く物語  作者: コリー
初日 【《修正中》Ⅰ~Ⅲ】
17/32

初日 【Ⅰ】

  書写 ―犬坂 風季―

 

 四月九日、午前八時三十五分

 少年は……。



「ぎりぎり…、間に合った」


 俺の名前は犬坂風季いぬさか ふき、背丈はクラスの平均より少し高いほう、勉強はあまり得意ではなく、趣味はとくになく、特技は持久力に少し自信があるぐらい。


 そんな俺には、周りには無い少し変わった何かがあった。


 俺には、一般的に神様と、幽霊と、悪霊と呼ばれている者を目で見て、手で触れて、口で話す事が出きたりその能力を他の者に接触する事で、その者にも、神様や幽霊などを見えるようにしまうという特殊な体質がある。


 ただ、【他の者に触れる事で、その者にも神様や霊魂などを見せる能力】には条件があり、相手と自分が意識し合って触れ合わなければ発動しないという事。


 この条件のおかげで、自分が知らない間に接触してしまった相手に、神様や霊魂などをその目で見えるようにしてしまう、という事は殆どない。


 あえて言うが俺は、この特殊な能力や体質の事を憎んだり、嫌ったり、恐れたりはしていない、と思う。

 はっきり言って自分でも、この特殊な能力や体質の事はよく解らない事だらけなのだから。


 それでも俺は、今まで何事も無くやって行けたと思うし、これからもこのままで何とかなると思っている。


 だから、俺はこれからの中学での三年間も、それにその後も、出来れば、倖平や千東、それにこれから新しく出来るであろう友達にも、この能力や体質の事は誰にも話さないで、誰にも気づかれないように気をつけて行こうと思う。


 それが、今の状況で一番の判断だと思うし、なにより、もうこれ以上知人に嫌われるのは、嫌だから。


 だから、誰にも言わない。絶対に言わない。


 そんな事を考えながらも俺は、下駄箱に白い無印の紐靴を入れて、黒いリュックサックから、ビニール袋に入った上履きを取り出す。


「……やっぱり、新品は良いなぁ」


 口元が少しゆがむのを実感すると、その顔を隠すように上履きを履いて廊下に出る。


 下駄箱を通って廊下に出ると、正面の壁の上の方に『1F』というプレートが張り付いている。

 そのプレートの下に長方形の丁度俺と同じくらいの縦幅をした鏡が付けられていて、そこを左に歩くと少しばかり通路が続いているものの、その通路は途中で途切れ、その先は行き止まりとなっていた。


 右に行くと中等部の職員室があり、その職員室の手前を左に曲がると五階まで続く階段がある。


―ザワザワ―ザワザワ―


 他の生徒と雑音に混じって四階まで上がると、ここにも、縦に長い長方形の鏡が壁についていて、その上に『4F』と書いてある横長の四角いプレートが張り付いていた。


 ここを右に曲がると、三組、二組、一組の順で一年の教室があり、左に曲がると、四組、五組、六組の順で一年の教室がある。


 この階の合計教室は確か、クラス教室も含めて八教室と特別教室といって各学年の階ごとに一つずつ設置されている『特室』という少し変わった教室。右の通路の端にある理科室、左の端にある美化室、計十一教室ある。


  そして俺は迷わず右の通路へ行く。


― 三組 ―


― 二組 ―


― 一組の前で止まると、ペールオレンジの色をした引き戸を左にスライドさせる。


―登場人物―

 犬坂 風季 (いぬさか ふき)


―以上―


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