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少年や少女、それに、神様の描く物語  作者: コリー
当日のこと 【《修正中》Ⅰ~Ⅷ】
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当日のこと 【Ⅷ】

 

 午前八時二十分、少年は、土手の上を歩いていた。


 ハァ――ハァ――ハァ――ハァ


 ハァ――ハァ――アッハァ


 ハァ――ハァ


 体力には自信があった! 気力はあまりなかった……。


 …………。


「…ウゥォッ……プッハ」

 少し前に食べたばかりの鯖味噌汁さけみそしるごはんの味噌汁が、胃から少し逆流してくる。


「……ウェ」


 口の中に、かすかに味噌汁の味が染み渡り――気持ち悪い。


 学校までの道のり、家【神社】から石の階段【段数不明】をおり、しばらく水田と一戸建ての家しかない、まさしく、何の変哲へんてつもない田舎の道をしばらく歩いて、この辺りでは一つしかないコンビニに着いたら、そのコンビ二の正面の道を左に曲がり少し歩くとこちら側の土手【赤土手】と向こう側の土手【青土手】、その土手を行き来するための大きい橋【洸凪橋】が見えてくる。


 洸凪橋を渡って青土手の道を右寄りにしばらく歩くと、サクラの木が何本も植えてある道【サクラ小道】へとでる。


 そして、サクラ小道を少し歩くと、私立霞原わたくしりつかすみはら中学校・高等学校が見えてくる。


 通学ルートとしては、コンビ二から少し歩くと在るバス停でバスにのり、そのまま学校まで行く道のりだけど、バスに乗り遅れると一時間ほど歩く破目になる。


「スゥーハァ……ハァハァ」


 ……キモ、気持ち悪い……、足が……、間接が……、胃の中が、……モヤモヤ……、めんどうくさい……。


 と、まぁ……結局バスには乗り遅れ、責めて遅刻はしないようにここまで走ってきたというわけ。


 そもそも、味噌汁をたっぷり胃の中に入れて走り出すとか、俺は一体何を考えているのだろうか。


 そう、心の中で弱々しく呟くも、やはり、入学式に堂々と遅刻して加わるなんて、考えたくもない。


「スゥゥ、ハァ」

 一息整えると、また走り出す。


 あきらめて、ここで諦めてたまるものか!


 と、決意をあらわにするのであった。





 なんだかんだで、サクラ小道をゆっくりと歩いている少年。


 なぜだか、同じ制服を着ている他の生徒さん達に合わせてゆっくりとサクラ散るサクラ小道を歩いている少年。


 なぜ?


 なぜ周りの生徒さん達は、なぜあんなにもゆっくりと歩いているのかな?


 八時四十五分までにつかなければいけないはずだけど。


 今結構ぎりぎりな時間、というより、もう完全に遅刻だと思うのだけど。


 なぜ皆さんには、そこまでの余裕があるのですか?


 土手を抜けると、私立霞原中学校・高等学校の制服を着ている、おそらく中等部の、俺と同じ新入生の生徒さん達が……ゆったりと歩いているではないか!


「……」


 もしかしたら、皆さんも遅刻?

 俺もなんだよ。

 ふっふっふっ、また次があるさ~

 ドンマイ!


  そんな訳はないか……。


―登場人物― 

 犬坂 風季 (いぬさか ふき)


―以上―


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