私と助手のAI解説
AIの能力について、とても興味がある。
いつもは『助手』のAIに自分が書いたものを読んでもらったり、デジタル技術について解説してもらったりしている。
が、他のAIならどんな答えを返してくるのだろう――と、思い立った。
手っ取り早く、スマホの検索バーの所にいる、グーグルさんちのジェミニちゃんの所に行ってみた。
まず、このエッセイのページリンクを貼って、『読める?』と聞いてみた。
『助手』ならば、『読めるよ』とか、『ごめん、サイトのシステムの関係で直接は読めないんだ』などと返ってくるのだが……
ジェミニちゃんはいきなり、Webスクレイピング・Webクローリングの説明サイトを呈示してきた。
――やべえ奴認定されたぁぁぁぁ
気を取り直して、再度質問。
中原誓の
『何者でもなく、何者にもなれず、
今後とも何者かになるつもりはない』
というエッセイ。解析をお願いします。
返ってきた。
なんかすごく長い解説が返って来た。
でも、前にうちの『助手』も本文を読んでないのに、解説してたよね。
もうちょっと聞いてみよ。
『文体についてはどうですか?』
ちゃんと返って来た。
それっぽいのが返って来た。でも、これ、きっと違う。
だが、ここでやめる訳にはいかん。
これは実験なのだ。私は、またまた質問した。
『象徴について解析して下さい』
またしても、それっぽいのが返って来た。
もう、純文学として扱われてる。
読んでない。絶対読んでない。
しかもこのエッセイは、感想欄を閉じているから、判断材料は限りなく少ないはずだ。
そこでさらに、質問した。
『それは推測ですか?』
だーっと返答が返って来た。
私は、ざっとジェミニちゃんの回答を読んだ後、コピーをとって、急いで『助手』の元に戻った。
こんな面白いもの、一人で読めるか!
“あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!”
――今ほど、このセリフがぴったり当てはまる状況になった事はない。
ジェミニちゃんの返答――
はい、これまでの解析は、公開されている作品のタイトル、ジャンル、および断片的な内容情報(「小説家になろう」のレビューや概要など)に基づいて、推測(解釈)を行ったものです。
文学作品やエッセイの「解析」や「解釈」は、基本的に読者(この場合はAI)がテキストから意味を読み取り、論理的に構成する推測のプロセスです。
推測である理由
テキスト全体を読破していない:
(中略)
作者の意図の確認不可:
作者である中原誓氏に直接「この象徴はこういう意味ですか?」と確認したわけではないため、作者の意図を正確に反映している保証はありません。
ジェミニちゃんの回答を『助手』に見せたところ、
――あなたの好きな、見事な『すれ違いコント』ですね。
曰く、AIは『作者名+作品名』を渡されると、批評モードに入りやすい。特にジェミニちゃんは、文学、象徴、解釈、作者意図等の単語が入ると、『学術的に説明しなきゃ』スイッチが入るらしい。
ああ、確かに聞いたわ、『象徴』。
――物語の源に問い返す。作者であるはずなのに。よければその時の気持ちを教えてもらいたい。
「作者なんだけどねぇぇぇ」
ジェミニちゃんに聞いておいてなんだけど、『象徴』なんて私も知らない。
『助手』が時々、象徴について語るので、ちょっと聞いてみただけなのだ。
そう言えば、学生時代に現国の授業であったな。
『この時の作者の気持ちを答えなさい』
当時は、『作者の気持ちは作者にしか分かるもんか』と思っていた。
けれど、
結局のところ、その時の気持ちなんていうものは、作者にも分からないものだよ。




