表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

3.変遷の監獄

最後です。

ここまでのあらすじ。

囚人番号254番は強盗に入った家から出られなくなり最終的にその家に住みましたところ携帯から彼の幼い頃の声で電話がかかってきました。

_________________________________________________

彼はその声その内容に覚えがありました。


それは彼が大昔に読んでいた絵本でした彼は幼い頃孤児院で生まれ育ち親というものを知りませんでした。

彼の心の支えは絵本と映画そして楽器でいつもいつも一人で楽しんでいました。彼は幸せでした。

しかし彼にはどうしても震えるほど怖いことがありました。

この世界に自分以外に人間がたくさんいることでした。つまり彼は他人が怖かったのです。


この孤児院を出ることになる時からは生まれて初めてと言ってもいいほどのたくさんの他人に会うことになります。その時が刻一刻と近づいていることに彼は途方もない恐ろしさを感じてしまいました。


その結果彼は孤児院から逃げ出しました。


それからというものの彼は他人を一切自分の世界に入れようとせず仕事も一人でできることばかりやっていました。


私は孤児院から逃げた彼を責めることができませんでした何故なら他人に恐怖を覚える感覚は誰しも少しは覚えるものだからです。

私たちは生まれた時から無性の愛と安心を与えられて育ちます皆がそうとは限りませんがたいていの場合恐怖とは無縁の生活を送ることになります。


その恐怖他人への恐怖人生への恐怖を取り除いてくれる人がいないことはどれほど辛く悲しく虚しいものなのかは想像もできません。


一人でこの大きな世界で生きることは他人を恐れて生きることは大きな監獄で生きることに等しいと彼は言いました。そうかもしれません。



彼は電話の主にいいました。君は僕が愛しているから大丈夫だと一人ではないと僕だけは味方でいるよと伝えました。電話の主はわんわんと泣き出しました彼は泣き止むまで優しい言葉をかけていました。


電話の主は泣き止み彼にありがとうと伝えました。

彼は気にしなくていいよと電話をありがとうと伝えました。




そこから途方もないほど長い年月が経ちました。


彼はもうここを本当に自分の家だと思い過ごしていました。


そんなある日彼は唐突に孤児院に自分の育ったところに行こうと考えました。

彼は育ててくれた人達に感謝を伝えたかったからです。

玄関へ行くとなぜか溢れるほどの大金と高価そうな指輪やバッグが落ちていることに気づきました。

しかし彼はそれを無視して玄関のドアを開けました。



そこは外でした。

_________________________________________________

これが彼から聞いた話の全てです。彼は嘘ひとつ言っていないと述べました私も信じました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
最初の呼び出しを行なっているのが誰なのか分からない。 刑務所の所長か看守なら自分の下に呼び出すだろうし、外部の者なら面会室に連れて来られるだろうしね。 だから冒頭の呼びかけはおかしいと思います。…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ