ここで。
友達だ。
優しい、私の天使。
彼女の姿は、私の療養。
私を認めてくれる。
地獄のような この街は
死の促進剤に見間違われる事が多い。
いつも死を、考える。
彼女は、それを消し去る。
唯一無二の、天使様。
友達。
ありがとう。
君が、居なければ、もっと早くに死んでたろう。
「サキ?」
友達が私の頬に触れた。
白い肌で、乾燥してる。
でも、心臓を擦り付けたみたいに、暖かい。
今は、彼女の胸の中。
彼女となら、何処へでも、
ありがとう。
「何寝ぼけてんの?ほら、起きて」
友達は、私の感謝を手で退けて。
私の顔に手を添える。
愛してる。
もうこれは、愛だ。
辛く生き。
生きる理由より、逝きる理由の方が濃厚な私に、
ここまでの幸せをくれて、いいのでしょうか。
いや、いいんだ。
今までが辛すぎた。
彼女といれば、全て良くなる。
暖かい胸に、肉のない身体。
やせ細って、元気もない。
私と同じ。
でも、心の息はまだ正常。
あなたに会えて、本当に良かった。
生きていて、良かった。
死ななくて、良かった。
死を選ばなくて、良かった。
この時の、今一瞬の幸せに胸をついて。
好きだ。愛してる。君に伝えたい。
この感情を、喉から、芯から伝えたい。
君がいるから私の世界は廻る。
こんな人、
そうそういない。
「……ほら、行こ」
友達は、寝ぼけた私の手を引いた。
何処へ…行くのだろう。
暖かい君と変わって、暗い路地。
何が何だか、分からない。
けど、分かる。
君さえいれば、私は死なない。
そうなのかも知れない。
足の音が響く。
友達と私とは違う。
「ごめんね」
あの子だ。