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燃やして。
彼の正義感は強かった。
ガブリエルは、決意した。
悪に染まった教会を、
神の裁きを与えることを。
母を殺した医者たちに、
神の鉄槌を与えることを、
ガブリエルは行った。
演説を、
町医者が話した、贖罪を、
教会の行う悪事を。
人々は、怒った。
ただの一般人に、
教会を侮辱されたのだ。
信仰深い人々は、
ガブリエルを侮辱した。
刃物や火が、
ガブリエルの顔に飛ぶ。
この街に、ガブリエルの味方はいなかった。
ガブリエルは再度決意した。
一人でなんとかすると、
非力なガブリエルができること、
それは…
〜二時間後〜
燃えた、燃えている。
神々の進行の暇に火がつけられた。
やったのは正義だ。
愛と正義のゆえに、
ガブリエルは勝ったのだ。
彼らは、叫んでいる。
「開けてくれぇ!だれかぁ!」
母への鎮魂曲だ。
「患者達を先に逃さないと!”ガチャガチャ”開かない!
こっちも開かない!んっゴホッゴホッ」
懸命な医者たちの声だ。
彼らも罪人。
愛する世界。
守りきれた気がした。