現代2
私の名前はルビィ。
この国、X国の女兵士である。
兵士と言っても、まだまだだ。銃を持ったのは最近、止めを覚えたのも最近だ。
「ルビィ聞いたよ、訓練でまた一番を取ったんだって」
私の幼馴染ロック(私は彼のことをローと呼ぶ)は、私の手を嬉しそうに握る。
「ロー、あんたまたビリだって? そんなんじゃ戦えないわよ」
「っう、僕だって頑張ってるよ」
私とローがいつもの流れをしていると、一緒に訓練をしていた男、ジータが間に入る。こいつは私のことが好きなのか、よく絡んでくる。
私は別に、このお調子者の気障な、彼を好きでも、嫌いでもなかった。面倒くさくはあるけど。
「また君たちは痴話喧嘩かいチミたちぃ?」
「違うわよ、ただローが、もうちょっと頑張れないかって励ましてたのよ」
病弱なローはいつも、兵士としての成績が悪い。
剣を振ると、重さに耐えれず、ぶらっと芯がずれ、銃を撃つと、なぜかよくジャムらせ、あろうことか自分の発砲した銃声にビビる。
止めに関しては、動物、犬や猫で練習するも、殺すことに戸惑い、唱えることができない。きっとネズミや、それどころかアリにすら唱えられないだろう。
兵士としてはローは失格だ。
「ロックちみぃは向いてないさ。父親と同じく医者でもしたらどうだ? 頭は悪くないんだろ」
ジータの言う通りだ。
ローの適正は兵士ではない、頭はいいのだから、それを生かして国の為、学問を学んだ方がいい。
「んまぁ、あと数年、成人するまで僕らはどっちにしろ」
ジータは銃を拭きながら
「幼少兵さ」
と。
いちいち気障なやつだ。
だが私はこいつが、好きではないが嫌いではない。一目置いてすらいるのが事実だ。
ローと違い、剣・銃・止め。どれをとっても優秀。
私に次いで、同年代でいい成績の持ち主だ。
彼はきっと、私と同じく、たくさんの敵を殺すのだろう。
剣で人を裂き、銃で脳天を貫き、アリを殺すかのように、容赦なく止めを唱えるのだろう。きっと彼は大成する。その気障な性格、癪な態度が上の気分を害せなければ、だ。
彼の言動を見るにそこは大丈夫だ。上下間のときだけ、ムカつく性格は消えるから。
わきまえているのだ。
そんな完璧。
格好つけなところを除くと完璧な彼は、
(恰好つけなところは、それはそれで需要はありそうだが)
それなりに同年代からは人気だ。
私は彼が、頑張り屋だし、成果もあるし認めている。
でも、
好きと言われると、違う。
なんというか、ジータは、ジータは
私にとって言葉にし難い存在だ。




