表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

85/137

第85話「そりゃあこうなる」

「……ふぇっ?」


 一瞬何をされたのかわからなかったのか、美咲はキョトンとした表情で目をパチパチと(まばた)かせる。


 しかし、すぐに理解が追い付くと――

「~~~~~っ!」

 ――相変わらず、言葉にならない声を上げて悶え始めた。


「上書きなら、これで十分だよ。いい思い出だ」

「ななな、なんで!?」


 美咲は目を見開きながら、真っ赤にした顔で尋ねてくる。

 かなりテンパっているようだ。


「何がだ?」

「キ、キス、いきなり……!」


 言葉がうまく出てこないらしく、彼女は断片的にしか言ってこない。


「美咲が上書きしたいって言ってたんだろ? 別に脱がなくてもキスで十分だったから、そうしたんだよ。彼女に初めてキスをしたら、当然そのことでいっぱいになるからな」


 慣れないことをした俺は、顔には出さないよう努めているだけで、心臓はバクバクだ。

 当然、頭も美咲のことでいっぱいだった。


「ふにゅぅ……!」


 許容範囲を突破したのか、美咲は変な声を出して俺に体を預けてくる。

 手で美咲の体を離して顔を見てみれば、目がグルグルと回っていた。


 しまった、こうなる可能性を見落としていたな……。


 美咲はこういうことに耐性が全然ないので、頭がショートしてしまったらしい。


 とはいえ……まさか、頬にキスをしたくらいでこうなるとは思わなかった。


「――大丈夫か……?」


 俺は美咲をベッドの上で横にさせ、膝を枕代わりにして頭を撫でる。


「んっ……」


 美咲は俺の太ももに手を添え、目を閉じてリラックスしていた。


 ……もう、素に戻ってないか?


 と思うものの、声を掛けるのは(はばか)られて俺は頭を撫で続ける。

 少しだけこのままにしておこう。


 それにしても――笹川先生は、戻ってこないな……?


 てっきり服を着たら何かしらのアプローチがあちらからあると思っていたのだけど、今のところその気配はない。


 もしかしたら、気まずくて俺と顔を合わせないようにしているのかもしれない。

 となれば、こちらから声を掛けるのもやめておいたほうがいいだろう。


 美咲もちゃんと落ち着かせて怒りさえ抑えることができれば、俺が帰っても喧嘩をしないだろうし。


 俺はそのまま、美咲が満足するまで頭を撫で続けるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『数々の告白を振ってきた学校のマドンナに外堀を埋められました』5月23日1巻発売!!
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★ 
数々1巻表紙
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★  


『迷子になっていた幼女を助けたら、お隣に住む美少女留学生が家に遊びに来るようになった件について』8巻発売決定です!
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★ 
お隣遊び6巻表紙絵
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★  


『迷子になっていた幼女を助けたら、お隣に住む美少女留学生が家に遊びに来るようになった件について』コミック2巻発売中!!
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★ 
お隣遊びコミック2巻表紙
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★  

― 新着の感想 ―
美咲ちゃんと来斗君から目が離せません
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ