表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

47/137

第47話「最悪の来客」

 とりあえず、呼ばれているので玄関へと向かってみる。


 そこには――

「ここここ、こんにちは……!」

 ――目をグルグルと回し、顔を赤く染めている美咲が立っていた。


 俺を見るなり挨拶をしてきたのだけど、かなり動揺しているようだ。

 母さんを前にして、緊張しているようにも見える。


「まじか……」


 そう呟かずにはいられなかった。

 さすがにこれは、頭が痛くなる。


「こんなにかわいい子が彼女だなんて、来斗も隅に置けないわね……!」


 どうやら、既に母さんには自己紹介済みらしい。

 大方、俺じゃなく母さんが出てきたことで、テンパって自分のことを『彼女』だと言ってしまったんだろう。


 ……最悪だ。


「美咲?」

「ご、ごめんなさい……!」


 母さんの前なので笑顔で名前を呼ぶと、美咲はガバッと勢いよく頭を下げてきた。

 言葉にしなくても、言いたいことがわかったらしい。


 どうしてくれるんだ、まじで。


「謝らなくていいのよ? いつでも遊びに来てくれたらいいんだから。そんなことよりも、お昼はもう食べた?」


 美咲に興味津々な母さんは、彼女を家に上げようと考えているようだ。

 話をしたくて仕方がない、というくらいにウキウキしている。


「あっ、まだです……」


 美咲が昼頃に来る時は、俺と心愛の昼ご飯を作ってくれている。

 だから彼女も家では食べてこず、ここで一緒に食べているのだ。


 しかし――ここは、正直に答えないでほしかった。


「じゃあ美咲ちゃんの分も作るから食べてね」


 やはり自己紹介は終わっているようで、名前までも把握されている。

 ここで本当は付き合っていない――と言ったところで、母さんは信じないだろう。

 それどころか、彼女に恥をかかせる行為だということで、怒られる未来すら見える。


 本当に困ったものだ。


「そ、それは申し訳ないので……!」

「いいのいいの。彼女さんがいることは知っていたのだけど、来斗が話してくれるのを待っていたのよね。でも、この子ってそういうの話さないでしょ? だから、美咲ちゃんのお話を聞きたいかなって」


 やはり、近所に住むおばさんに見られたことで、母さんの耳には入っていたらしい。

 俺が話すまで知らないふりをされていたとは……ボロを出すのを、待っていたんだろうな……。


「えっと、それは、その……」


 美咲はチラッと、申し訳なさそうに俺の顔を見てくる。

 俺の顔色を窺っているんだろう。


「上がってくれ……」


 母さんに知られた以上、全て手遅れだ。

 完全に乗り気になっているのだし、俺が美咲を追い返したら怒られてしまう。


 何より彼女が帰ってしまうと、根掘り葉掘り聞かれるのが俺になってしまうため――美咲には、自分で責任を取ってもらうことにした。


 ……それにしても、なんで来たんだ……?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『数々の告白を振ってきた学校のマドンナに外堀を埋められました』5月23日1巻発売!!
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★ 
数々1巻表紙
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★  


『迷子になっていた幼女を助けたら、お隣に住む美少女留学生が家に遊びに来るようになった件について』8巻発売決定です!
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★ 
お隣遊び6巻表紙絵
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★  


『迷子になっていた幼女を助けたら、お隣に住む美少女留学生が家に遊びに来るようになった件について』コミック2巻発売中!!
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★ 
お隣遊びコミック2巻表紙
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★  

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ