表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

44/137

第44話「幸せそうなカップル」

「…………」


 事情聴取から解放された後、美咲は俺の腕から離れなくなった。

 昼食を食べ終わった今も、テントで俺の腕に抱きつき、肩に頭を乗せてきている。


 水着姿で抱きつかれているので、俺の心臓に悪かった。


「あはは……べったりですね」


 俺にくっついて離れない美咲を見つめながら、笹川先生が仕方なさそうに笑みを浮かべた。


 事情聴取の際に引率者である笹川先生も呼ばれたので、彼女は事情を知っている。

 妹のべったり具合の理由もわかっているだろうから、それ以上何かを言ってくることはない。


「まぁ、怖い思いをしたわけですし……仕方ないかと」


 そう答えたのは、先程からジッと俺たちを見ている鈴嶺さん。

 彼女は笹川先生の隣に座っているのだけど、なぜかずっと俺たちを見つめていた。


 この状況を見つめられるのは、かなり恥ずかしいのだが……。


 いったい彼女は今、何を考えているのだろうか?

 

 心愛に関しては、呑気にお昼寝タイムだ。

 笹川先生に膝枕をしてもらい、気持ちよさそうにスヤスヤと眠っている。


 正直、少し羨ましい。


「美咲、海に入らなくていいのか?」

「今はいい……」


 かれこれ二時間くらいこうしているので声をかけてみたのだけど、美咲はこのままでいたいようだ。

 やはり、ナンパ男たちのせいでメンタルにきているんだろう。


 海に入りたそうな鈴嶺さんには申し訳ないが、今は美咲を優先させてもらう。


「じゃあ、このままゆっくりしておけばいいから」

「んっ……」


 優しく頭を撫でると、美咲は気持ち良さそうに目を細める。

 助けたおかげで、美咲の懐き具合が増してる気がした。

 要は、それだけ信頼してもらえているんだろう。


 こういうふうに甘えられて、悪い気は全然しない。


「ナチュラルに頭撫でてる……」

「私たちがいても、おかまいなしですね……」


 何やら俺たちを見ながら、笹川先生と鈴嶺さんがコソコソと話しているのだけど、気にしないでおこう。


 だいたい何を話しているかは想像がつくし。

 それよりも、今は美咲を癒すことが先決だ。


 ――くそ恥ずかしいけど。


「ねぇ、来斗君……」

「ん?」


 名前を呼ばれ、俺は視線を美咲へと戻す。

 すると、彼女は潤んだ瞳でジッとこちらを見ていた。


「これからも、頼りにしてるよ……?」


 それは、これからも他の男たちから守ってくれってことだろう。


「あぁ、そうしてくれ」


 元々、周りの男子たちから美咲を守るために、偽彼氏を引き受けたようなもの。

 これからも俺は彼女の防波堤として、他の男たちには手出しをさせない。


「ふふ……」


 俺が頷くと、美咲はとてもご機嫌な様子で、俺の腕を抱いている腕に、ギュッと力を入れるのだった。


 ――俺たちは本当は偽カップルなのに、もう誰の目から見ても、本物のカップルのようにしか見えないだろう。

話が面白い、美咲がかわいいと思って頂けましたら、

評価(↓の☆☆☆☆☆を★★★★★)やブックマーク登録をして頂けますと幸いです(≧◇≦)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『数々の告白を振ってきた学校のマドンナに外堀を埋められました』5月23日1巻発売!!
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★ 
数々1巻表紙
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★  


『迷子になっていた幼女を助けたら、お隣に住む美少女留学生が家に遊びに来るようになった件について』8巻発売決定です!
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★ 
お隣遊び6巻表紙絵
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★  


『迷子になっていた幼女を助けたら、お隣に住む美少女留学生が家に遊びに来るようになった件について』コミック2巻発売中!!
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★ 
お隣遊びコミック2巻表紙
  ★画像をクリックすると、集英社様のこの作品のページに飛びます★  

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ