第159話「やはりこうなる」
「――んっ……ちゅっ……」
結局折れてキスをしたのだが、現在何度目だ、というほどにキスを繰り返していた。
このキス魔、本当に一度スイッチが入ると全然放してくれない。
「ぷはっ……もうそろそろ寝ないか?」
「んぅうう……」
口を離して聞いてみると、美咲はグリグリと俺の胸に顔を押し付けてくる。
まだやめたくないという意思表示なのだが、先程からこれの繰り返しだ。
「キリがないぞ……?」
「明日日曜日だから、大丈夫……」
美咲は、夜更かししても大丈夫だからまだする、と言っているようだ。
現在夏休みなので、正直俺たちは曜日なんて関係ない。
ただ、明日が日曜日だということで、心愛を保育園に連れていく必要もないのだ。
だから、朝ゆっくり起きれば――ということにもならない。
俺たちが起きなければ、笹川先生が起こしに来るだろうから。
ましてや日曜日ということは、母さんも家にいるのだし。
「笹川先生に起こされて、明日寝不足でしんどい思いをすることになるぞ……?」
「大丈夫だよ、お姉ちゃんお休みの時お昼まで起きないから……」
なるほど……。
そういえばあの完璧美女の笹川先生は、家ではだらしないんだったな……。
「でも、俺の家だから早起きするんじゃないか……?」
「…………」
思うことを言うと、美咲は言い返してこなかった。
やはり、俺や心愛がいると、俺たちの目を気にして笹川先生はシャキッとするようだ。
……それってつまり、笹川先生は気を張っているということで、本来ならお昼まで寝られるところを朝起きるということなので、しんどいんじゃないだろうか?
妹のためとはいえ、このままでいいのか……?
「むぅ……」
俺が考えごとをしていると、頬を膨らませた美咲がツンツンッと俺の頬を突いてきた。
「どうした?」
「お姉ちゃんのこと、考えてる……」
どうやら、俺が黙り込んだ理由をすぐに理解したようだ。
二人きりでいて、しかもくっついている時に他の女性のことを考えてほしくないんだろう。
その気持ちはわかるので、優しく頭を撫でてあやしておいた。
まぁ、やっぱり嫉妬深いな、とは思うのだけど。
「とにかく、もう寝よう。続きは明日ってことで」
「でも、明日起きたら、心愛ちゃんが寝るまでできない……」
どうにか寝かせようとするも、美咲は再度グリグリと顔を押し付けてきた。
彼女がやめない理由はそこにあるのだろう。
これが終われば、また明日の夜遅くにしかできない。
だから寝たくない、という感じか。
気持ちはわからないでもないのだけど――これ、本当に学校が始まったら大丈夫か……?
いろんな意味で不安しかないんだが……?
なお、この後は美咲が満足するまで付き合い続けたのだけど、意識が遠くなる中、小鳥のさえずりが聞こえたような気がしたのだった。
明日(11/21)新作投稿予定なので、
楽しみにして頂けますと幸いです!







