第148話「やはり姉」
「あぁ、ナンパ避けのやつですか? まぁ、あれくらいでしたら……全然負担でもないですし、大丈夫じゃないでしょうか?」
確かにナンパ避けとして鈴嶺さんに頼られはしたが、要は一緒に行動しろってレベルのことだ。
何かやらされるわけでもないのだし、負担というほどでもないだろう。
しかし――
「あはは……」
――《この人、なにもわかってないなぁ》とでも言いたげな苦笑いをされてしまった。
うん、なんでだ……?
「えっと……変なこと言いましたか……?」
「いえ、その……白井さん、本当にそういうところ無頓着なのですね……。無自覚に抱えすぎると、自覚した際には手遅れですよ……?」
どうやら先程の俺の発言によって、更に笹川先生を不安にさせてしまったようだ。
おかしい……。
大丈夫だとアピールしたはずなのに、どうしてこうなるんだ……?
「白井さんが無自覚な以上、おそらくどれだけお伝えしても危機感は持って頂けないでしょうね……」
何かを諦めたように、溜息を吐く笹川先生。
そんなに俺は重症なのか……?
「もう話を進めましょうか。このままではおそらく埒が明きませんので」
うん、やっぱり諦められたようだ。
笹川先生の中で俺に対して、話が通じない奴、とでも線引きされたかもしれない。
「かまいませんが……」
「今回のことは、白井さんの性格が大きく影響していらっしゃいますので、対処することは難しいと思います。それに、美咲が白井さんから離れるはずがありませんし、心愛ちゃんの面倒を見るということも、白井さんはやめられません」
笹川先生は真剣な表情で再度俺に言ってくる。
実の妹に対してその決めつけはいいのだろうか?
とも思うが、事実美咲は俺から離れようとしないので、彼女の言っていることは正しい。
そして心愛の件も、大切な妹なのだから俺が育てることをやめるはずがなかった。
「そのため、心愛ちゃんや家事――心愛ちゃんのことは、遠慮なく私を頼ってください。それに、他にも悩みがありましたら、先程お伝えしました通り、私に相談してください。私はもう大人ですから、白井さんを支えることができます」
やはり彼女は、俺が抱えてしまっている荷を代わりに担いでくれると言ってくれているのだろう。
心愛が懐いている以上、心愛のためにもなるので有難い提案ではある。
だけど――今笹川先生、家事の部分を完全に言い直したよな……?
家事も代わりにやるって言おうとして、自分ができないことを思い出して誤魔化した感じじゃないか……?
完璧に見える笹川先生だけど、やはり美咲の姉ということなのだろう。
ちょっとポンコ――抜けてるところが見えてしまった。
まぁ私生活に関しては、完全に美咲のほうが上っぽいもんな……。
少なくとも美咲は、裸で寝たり家の中を歩いたりはしないだろうし。







